特定技能外国人に総合保険は必要? 詳細に解説!

特定技能外国人に総合保険は必要? 詳細に解説!

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特定技能外国人の方が日常生活で怪我をしたり、病気になったりすることがあります。ですが総合保険に加入すると、当然別途料金がかかり可処分所得が減ります。
月額料金を払ってまで、特定技能外国人が総合保険に加入する必要があるのでしょうか。
この記事では、特定技能外国人が総合保険に入るメリットなどについて、具体的な保険商品も交えて詳細に解説いたします。

社会保険は「就業時間中」のみ!

社会保険は「就業時間中」のみ!

特定技能外国人も、日本人と同じように社会保険に加入することになります。
そのため特定技能外国人は、初めから労災保険にも、健康保険にも加入した状態です。
この社会保険により就業中や通勤途中の事故や怪我については補償されますが、プライベートでの事故やケガ、また事故で後遺症を負った場合、事故で相手にけがをさせてしまった場合などには、社会保険ではカバーすることができません。
例えば就業時間外の病気は3割負担となり、就業時間外に相手に事故などでけがをさせた場合には補償がされません。

しかし総合保険に加入することで、上記のようなプライベートでのトラブルに備えることができます。具体的には治療費が全額戻ってきたり、相手への保証が1億円まで保証されたりします。
日本政府も、特定技能外国人を雇用する事業所に、総合保険への加入を勧めています。

交通事故に遭うケースも

実際、近年特定技能外国人の方が、交通事故に遭うケースが増えています。
中でも自転車で事故に遭われるケースが増加しています。
自転車で交通事故に遭った場合、勤務途中であれば社会保険で補償される場合がありますが、プライベートの場合には社会保険では一切カバーできません。

また冬にインフルエンザになってしまう場合や、観光で出かけて駅の階段で足を踏み外してしまったケースなどが見られます。

特定技能外国人総合保険

特定技能外国人総合保険

総合保険は、社会保険と違い、プライベートのケガや病気などもしっかり補償してくれます。
また社会保険とは違って任意加入です。
総合保険の補償内容は、そのため保険商品によって異なっていますが、この章で一般的な総合保険金の種類や、補償期間について説明します。

保険金の種類

まず保険金の種類について、説明します。
保険金は1つだけではなく、疾病治療費用保険金や、傷害死亡保険金、疾病死亡保険金、賠償責任保険金などと、トラブルごとに設定されています。
ここでは、それらのさまざまな保険金の種類について、説明していきます。

疾病治療費用保険金・傷害治療費用保険金

病気やけが、所定の感染症などに感染した場合の補償です。
ですが保険の種類にもよりますが、疾病治療費用保険金では、基本的には妊娠や出産に関する費用、早産や流産の費用などは補償されません。

傷害死亡保険金・疾病死亡保険金

傷害死亡保険とは、保険期間中の事故などで亡くなった場合に、一時金として支払われます。またその事故ですぐに亡くなってしまった場合だけではなく、その事故で例えば180日以内に亡くなった場合にも、全額支払われる場合が多いです。

ですが当然ですが故意であったり、明らかに重大な過失を犯しての事故の場合には、支払われない場合がほとんどです。そのほか、飲酒運転をして亡くなった場合なども対象外となります。

後遺障害保険金

後遺障害保険金とは、傷害によって後遺障害が生じた場合に支払われます。
ほとんどの場合、障害の程度によって支払われる保険金の額が変わります。

賠償責任保険金

賠償責任保険金は、自分の怪我などではなく、本人や家族などが、他人に怪我をさせたり物を壊してしまったりした場合、補償を受けることができます。
こちらについては、イメージが湧きにくいと思いますので、具体的な例をあげると、以下の事例に補償を受けることができます。
・買い物をしている時、誤って商品にぶつかって破損させてしまった
・お風呂にお湯を溜めたが蛇口を止め忘れて水漏れを起こし、階下の部屋を水浸しにした

以上のような場合に補償を受けることができます。
また自転車で走行中に、歩行者にぶつかり怪我をさせてしまった場合も、保険によっては補償される場合があります。

救援者費用等保険金

救援者費用等保険金については、あまり聞きなれないと思います。
こちらは屋外で怪我をしたり、亡くなったりした場合、その方の家族の方の移動費や宿泊費、また捜索などがあった場合には捜索費などが補償されます。
捜索費などが補償されることはありますが、登山などで遭難した場合には、その補償対象外となる場合が多いです。

補償期間

基本的には特定技能として、母国から出国手続きをした時点から、補償期間は始まります。
そして補償期間の終了は、日本からの出国手続きを行った時となります。
また特定技能のための総合保険なため、在留資格を特定技能以外に変更した時にも補償期間は終了となります。

総合保険について知っておくべきこと

総合保険について知っておくべきこと

この章では、総合保険に入る・入らないを判断する前に、総合保険について知っておいたほうが良いことをまとめます。メリット・デメリットがありますので、しっかり理解した上で加入する・しないを決定してもらうと良いでしょう。

お金はかかるがリスク低減

総合保険に加入すると、当然月額料金がかかってきますので、可処分所得が減り、仕送り額も少なくなります。そのため仕送り額を多くしたい特定技能外国人は、企業が勧めても、総合保険への加入を断ることが多々あります。

ですが総合保険に加入していない場合、日本で生活する上でのリスクが大変大きくなります。総合保険に入っていない特定技能外国人が、賠償問題を起こしてしまい、それを企業が負担したというケースも存在します。
またプライベートで起こった事故だとしても危篤状態に陥った際には、総合保険に入ってないと、企業が家族を呼ぶ費用を負担せざるをえないというケースもあります。

総合保険は特定技能外国人を守るものです。
ただ受け入れ先企業にも、特定技能外国人が総合保険に加入していたことにより、経済的負担が軽くなるなどのメリットがあります。
ですので仕送り額などの関係で一度断られたとしても、根気強くメリットについて話す方が良いでしょう。

支払い対象外をしっかり理解しよう

総合保険は、プライベートでの事故も、しっかり補償してくれます。
ですが全ての事故などを補償してくれるわけではなく、中には保険金の支払い対象外となるケースが存在しています。
前述の通り、当然ながら、故意に起こした事故や自殺の場合には支払い対象外となります。
また既往症の治療には支払われなかったり、犯罪行為に関わっている場合には対象外になったりします。
そのほか、以下の場合にも、対象外になります。

妊娠・出産

前述した通り、妊娠や出産、そして流産などについては、支払い対象外となります。

通勤途中のけが

労災保険で、通勤途中の事故はカバーされます。
そのため総合保険では、プライベートの怪我は補償されますが、通勤途中の怪我は補償対象外となる場合がほとんどです。

歯に関する病気

虫歯・歯周病なども、補償対象外となります。
ですが例えば転倒などにより、歯を折ってしまったという場合などには、補償されます。
しかし来日してから虫歯になってしまったという場合などには、総合保険では補償ができないため注意が必要です。

毎月の給料から引く・一括払いもできる

保険料を毎月いちいち納付することは、当然面倒なことです。
ですので、社会保険と同じように、給料から天引きすることもできます。
ですが注意が必要です。
本来給料から天引きしていいものは、社会保険料などのみとなっています。
そこを曲げて、給料から天引きする場合には、労使協定を結ぶ必要があります。

ですがそれでは少し大変なので、保険料を一括で支払うことができる総合保険もあります。
具体的な保険については、のちの章で説明します。

保険の種類

この章では、具体的にどのような保険があるのか、簡単に説明します。

JITCO保険

まずJITCO保険について説明します。
そもそもJITCOとは、国際人材協力機構のことです。
主な役割は、技能実習生や、特定技能外国人などの外国人材の受入れを促進することです。

JITCO保険とは、このJITCOが保険契約者となります。
そして監理団体や、実習実施者、受け入れ機関や登録支援機関などが、加入者となるスタイルです。JITCO保険では、特定技能外国人の日本での病気や、プライベートで生じた怪我などをカバーすることができます。

傷害治療費用保険金や傷害死亡・後遺障害保険金をはじめ、賠償責任保険金や、救援者費用等保険金が支払われます。
当然この保険の場合にも、既往症の治療や、美容整形や、自殺などの場合には支払われないことがありますので注意しましょう。

ART共済保険

続いて、ART共済保険について説明します。
様々なプランがありますが、2年間で1万5千円のプランの場合でも、個人賠償責任の支払い限度額が1億円の補償がつきます。
また様々なサポートが付随します。
例えば特定技能外国人が来日しても、外国人であるため住居の決定に時間がかかってしまうという場合があります。ですがこちらの保険の場合には、部屋探しの代行業務であったり賃貸契約のフォローなどのサポートもあります。
ART共済保険の主な特徴4つを下記にまとめます。

印鑑不要

日本では、印鑑が必要な契約が多くなっています。
ですがART共済保険の場合には、共済契約締結後であれば、印鑑不要で、ペーパーレスで契約が可能です。

入国前精算がない

監理団体・登録支援機関と共済加入するため事前精算がありません。

受け入れ先の手続きがスムーズ

受け入れ先が変更になったとしても、契約・再契約などという余計な手続きは不要でOKです。

また申し込みが非常に簡単です。
特定技能外国人人材管理ツール・dekisugiからは、簡単・迅速に申し込むことができます。

まとめ

最後に今回の記事の内容を振り返ります。

社会保険は「就業時間中」のみ!

特定技能外国人も、日本人と同じように社会保険に加入することになりますが、プライベートでの事故やケガ、事故で後遺症を負った場合、事故で相手にけがをさせてしまった場合などには、社会保険でカバーすることができません。
しかし総合保険に加入することで、上記のようなプライベートでのトラブルに備えることができます。

特定技能外国人総合保険

総合保険は社会保険と違い、プライベートのケガなどもしっかり補償してくれます。

保険金の種類

保険金には複数種類があり、主に疾病治療費用保険金・傷害治療費用保険金、傷害死亡保険金・疾病死亡保険金、後遺障害保険金、賠償責任保険金、救援者費用等保険金などがあります。
例えば賠償責任保険金では、「買い物をしている時、誤って商品にぶつかって破損させてしまった」「お風呂にお湯を溜めたが蛇口を止め忘れて水漏れを起こし、階下の部屋を水浸しにした」などという、被害を与えた場合も保証してくれます。
社会保険と違い、幅広い範囲をカバーしてくれます。

総合保険について知っておくべきこと

お金はかかるがリスク低減

総合保険に加入すると月額料金がかかってきますので、可処分所得が減り、仕送り額も少なくなります。ですが日本で生活する上でのリスクが減じます。

支払い対象外をしっかり理解しよう

総合保険では、保険金の支払い対象外となるケースが存在しています。
既往症の治療や、犯罪行為に関わっている場合、妊娠・出産、通勤途中のけが、歯に関する病気などが、ほとんどの保険で支払い対象外となっています。

保険の種類

JITCO保険

JITCOとは、国際人材協力機構のことです。
JITCO保険では、このJITCOが保険契約者となり、監理団体や実習実施者、受け入れ機関や登録支援機関などが加入者となります。

ART共済保険

様々なプランがありますが、2年間で1万5千円のプランの場合でも、個人賠償責任の支払い限度額が1億円の補償がつきます。以下のような特徴があります。
印鑑不要
印鑑不要でペーパーレスで契約可能です。
入国前精算がない
面倒な事前清算がありません。
受け入れ先の手続きがスムーズ
受け入れ先が変更になったとしても、契約・再契約などという余計な手続きは不要です。

また特定技能外国人人材管理ツール・dekisugiからは、簡単・迅速に申し込むことができます。

この記事を書いたライター
カナエル運営事務局

カナエル運営事務局

外国人材に関わる方向けに情報を発信する総合メディア「カナエル」の中の人です。 外国人採用をはじめ、特定技能・技能実習に関する有益な情報を発信します。