国別・在留資格別の外国人労働者割合(最新データ)

国別・在留資格別の外国人労働者割合(最新データ)

特定技能外国人雇用

増加を続ける外国人労働者

日本では、人手不足が深刻化しています。
政府は少子化対策を積極的に進めていますが、出生率は低下を続けており、2024年度には過去最低の1.15まで低下しました。
そのため外国人労働者の活躍がますます期待されています。

厚生労働省の報道発表資料によると、令和6年には外国人労働者の数は、前年比253,912人増加し、過去最多人数を更新して約230万人に達しました。
年々外国人労働者は増加しており、もはや日本の労働市場にとってなくてはならない存在となっています。
主に発展途上国からの労働者が多く、国籍別に見ると、ベトナムからの労働者が最も多く、ついで隣国の中国、フィリピンと続いています。

本記事では厚生労働省の最新データを参考に、国別・在留資格別に、外国人労働者の割合や、増加の推移などについて見ていきます。

参照元:厚生労働省※出生率

第1章:外国人材の重要性

少子高齢化による人口減少

まず外国人材の重要性について、見ていきます。
日本は人口減少という国難ともいうべき大きな課題に直面しています。 2025年度には全人口の約18%が75歳以上となりました。

そしてその15年後の2040年には65歳以上の人口が、全人口の約35%になると言われています。
人口は急激に減少していき、厚生労働省の「我が国の人口について」によれば、2070年には日本の総人口は9,000万人をきり、高齢化率は39%になると推計されています。
日本の場合には少子高齢化の動きが急速に進み、なおかつ今後も歯止めがかからないのではないかと考えられています。また上記の予想より急激に人口が減少していく可能性もあります。
人口減少に対して何も手を打たなければ、人手不足だけではなく、社会保障制度が維持できなくなったり、国力の減少に繋がったりします。

参照元:厚生労働省

労働力の確保

人口減少により介護や建設、また農業や漁業、製造業などで慢性的な人手不足に悩まされています。
そこで政府が「特定技能」や「技能実習」などの在留資格を整備して、外国人人材を積極的に受け入れるようになりました。

ただ受け入れるだけではなく、長期的な育成を視野に入れたり、外国人人材に長期的に日本社会に定着してもらうために環境の整備を行ったりしています。
また外国人人材に主体的に日本を選んでもらえるように、日本語教育の支援やキャリアアップの道筋を明確にしたりと、日本で働くことに魅力を感じてもらう取り組みも始めました。

第2章:外国人労働者数の推移

外国人労働者数

日本の外国人労働者数は、年々増加しています。 厚生労働省の報道発表資料を参考に、外国人人材の増加の推移を見ていこうと思います。

現在日本では、外国人人材の雇用時には、厚生労働大臣(ハローワーク)に届け出ることが義務付けられています。
労働施策総合推進法により、外国人労働者の雇用管理を改善するため、また再就職支援などを効率的に行うため、すべての事業主に定められています。

上記データによれば、令和6年10月末時点での外国人労働者数は約230万人となっています。
前述の届出が義務化された平成19年以降で最多です。

また外国人労働者数の増加率にも注目が集まっており、前年増加率は12.4%です。
その前年も12.4%の増加率であったため、近年は毎年10%以上、加速度的に外国人人材が増加しています。

増加の背景には政府の方針、そして2019年4月から受け入れが始まった特定技能の導入があると考えられています。特定技能制度は即戦力の外国人人材を受け入れる制度で、取得すると条件にもよりますが長期間日本社会で労働することができます。

参照元: 厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和6年10月末時点)
厚生労働省 「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和5年10月末時点)

事業所数

また外国人人材の増加に伴い、外国人を雇用する事業所数も増加しています。
令和6年10月末時点で約34万ヶ所が外国人人材を雇用しています。

こちらも増加率が著しく、前年比で約2万3千ヶ所も増加しており、こちらも届出が義務化されてから過去最多となっています。
増加率は7.3%で、人手不足を外国人人材で補うことは、もはやかなりの事業所で身近な選択肢となっていることがわかります。

外国人人材を雇用する事業所は特定の業種や、地域に限定されているわけではありません。
都市部でも、地方でも、また様々な産業で積極的に採用が進んでいます。これは全国の様々な産業で、国内人材の確保が非常に困難になっていることを示しています。

参照元:厚生労働省

第3章:国籍・地域別分析

この章では、外国人労働者の国籍の構成について見ていきます。
日本の外国人労働者の多くは主にアジアから来日しています。
国籍別ではベトナムが最も多く、外国人労働者全体の約25%を占めており、およそ57万人が日本で労働に従事しています。

参照元:厚生労働省

ベトナム

まだ自国の産業が成熟していないため、海外で働くベトナム人家族へ送金するベトナム人が多くいます。
また同じアジアの国ということもありベトナムに進出している日系企業が多いこと、またベトナムでは日本のアニメが人気であることなどの理由から、日本を好意的に思っている国民が多く、日本で働くことを希望する若者が多いという事情もあります。

またもともとは技能実習生の多くは中国人でした。
中国は隣国であり、物価も違うため多くの中国人が日本に出稼ぎに来ていましたが、中国の経済発展に伴い、急速に減っていきました。中国人労働者の減少に伴い、ベトナム人労働者が増えたという側面もあります。

またベトナム人留学生の増加も、何かしらの業務に従事するベトナム人が増加した理由の一つです。
2008年に「留学生30万人計画」により留学生ビザが緩和されて以降、ベトナムから多くの留学生が来日するようになりました。
アメリカや欧州では、留学生のアルバイトが禁止されていたり、労働時間の制限が厳しかったりします。ですが日本では申請は必要ですが、長期休暇中であれば1日8時間以内、1週間に40時間もアルバイトして稼ぐことができます。

これはベトナム人留学生にとっては大変魅力的な制度でした。
経済的に余裕がなくても、日本への留学資金さえあれば、その後の学費と生活費を日本でのアルバイトで稼ぐことができるためです。
そういった理由も、ベトナム人の労働者が多い理由だと言えます。

参照:出入国在留管理庁
留学生受入れに関する施策の実施状況について

中国

次いで中国からの労働者が多いです。
来日する中国人労働者は約40万人で、全体の約18%を占めます。
隣国の中国は14億人もの人口を抱えており、自国にも働き口が多くあります。
ですが海外に働きに出る人々も多く、建築や農業などにおける単純労働から、専門的な業務まで、幅広い職種についています。

フィリピン

次いでフィリピンからの労働者が多いです。
フィリピンから来日する労働者は約24万5千人で、全体の約11%を占めています。

長崎大学の多文化社会学部の准教授によれば、フィリピンの人口は約1億1千万人ほどで、そのうちのおよそ1,000万人が国外在住です。米国や欧州の他、中東や、日本をはじめとするアジアの国々で、出稼ぎにでたり永住権を得て長期滞在してたりしています。
フィリピンのGDPの約1割が、海外からの送金であると言われており、出稼ぎはフィリピン経済にとって重要な経済活動となっています。

オイルショック以降、フィリピン政府が不況の打開策として、海外での就労を積極的に推進していることもあり、欧米や中東、そしてアジアをはじめとする日本でも、多くのフィリピン人が働きにくるようになりました。

増加率の多い3カ国

また「外国人雇用状況」の届出状況によると、ミャンマー、インドネシア、スリランカからの労働者が急増しています。
ミャンマーからは約11万5千人で、前年比61.0%増となっています。
またインドネシアからは約17万人が来日しておりこちらは前年比39.5%増です。
スリランカからは約4万人が来日して労働に従事しており、33.7%増となっています。
例えばミャンマーからは技能実習制度、また2019年に受け入れが始まった特定技能を利用して来日している労働者が多いです。

技能実習だけではなく、ブルーカラーも特定技能制度で受け入れることができるようになったため、来日している労働者が年々増加しているという背景があります。

第4章:在留資格別分析

この章では在留資格別に、外国人人材の増加について見ていきます。

専門的・技術的分野の在留資格が急増

まず特筆すべき点は、「専門的・技術的分野の在留資格」の在留資格で働きにくる外国人人材が、届出が義務化されて以降最も多くなり約72万人となり、前年比およそ20%増の13万人増加となりました。

この「専門的・技術的分野の在留資格」には大学教授や医師や弁護士、語学教師や外国料理の調理師などが含まれます。
またそのほか、2019年4月に創設された特定技能の在留資格で来日した外国人人材も含みます。

技能実習も増加

特定技能をはじめとする「専門的・技術的分野の在留資格」に次いで、「身分に基づく在留資格」が前年比約2%増加の約13万人増加し、およそ63万人となりました。
こちらは「永住者」、「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」、そして「定住者」の4種類です。

技能実習で来日する外国人人材も増加しています。
およそ47万人もおり、前年比約14%増加となりました。

技能実習は特定技能や「身分に基づく在留資格」とは違い、比較的取得しやすいため、日本の労働市場がそれだけ外国人人材を積極的に求めていることが、このデータからもわかります。

また「資格外活動」で働く外国人人材も増加しており約40万人います。
こちらは前年比で約13%増加の約4万5千人の増加となりました。
「資格外活動」については主に留学生のアルバイトが多く、コンビニや飲食店の厨房などの外国人アルバイトが急増していることを示しています。

第5章:都道府県別の外国人労働者数の分布

続いて都道府県別の増加率を見ていきます。

東京・大阪・愛知と都市部に集中

外国人人材は、やはり人口が多く、労働の需要が根強い東京・愛知・大阪に集中しています。
東京では外国人人材の約25%が働いており約58万5千人います。
続いて愛知では全体の10%の約23万人、大阪では全体の7.6%の約17万5千人の外国人人材が働いています。

地方でも増加傾向

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)によると、東京に約58万5千人と、他県より圧倒的に雇用者数が多く、続いて愛知、大阪となっていますが、地方でも外国人人材は増加しています。

愛知・大阪に続き、神奈川・埼玉・千葉・静岡と続きます。

人数は東京や愛知・大阪などの都市部には劣りますが、増加率が極めて顕著な都道府県として、長崎・北海道・福井があげられます。
長崎の前年増加率は28.1%、北海道の前年増加率は23.8%、福井の前年増加率は22.5%です。

第6章: 外国人人材増加による課題と今後

労働環境

外国人人材の増加にともなう問題も多く発生しています。
一部ではありますが、不当な低賃金や、劣悪な労働条件で労働に従事させられるという問題もあり、それが原因で失踪する技能実習生が社会問題となったこともありました。

ですが新たに育成就労制度が成立し2027年に施行予定や、受け入れ先企業が外国人人材のため日本語講座を行ったりと、外国人人材の人権保護や、受け入れ先企業の取り組みは大きく改善しています。

外国人人材の増加にともなう課題は今後も増えていくかもしれませんが、その課題を解決するための取り組みも改善され、外国人人材に主体的に選んでもらう国づくりが進んでいます。

地域社会との摩擦

外国人人材が、地域社会で生活するなかで、地域との摩擦が生じる場合があります。
ごみの出し方や騒音、共同住宅の利用ルールといった生活習慣の違いから、生じるものです。
ですが受け入れ先企業が入国後にガイダンスを行ったり、急増する外国人人材を地域が除雪や掃除を定期的に行うグループに参加する様促したりと、双方が歩み寄る努力がされています。

医療や教育といった公共サービスでも、問題は発生していますが、多言語問診票の導入が進んだり、企業側が電車の乗り方やバスの乗り方をレクチャーしたりと、生活しやすい様な環境づくりを進んで行っています。

まとめ

外国人労働者数の推移

令和6年10月末時点での外国人労働者数は約230万人、平成19年以降最多となり、前年増加率は12.4%です。
また外国人を雇用する事業所数は約34万ヶ所で過去最多で、前年増加率は7.3%です。

国籍・地域別分析

国籍別ではベトナムが最も多く、外国人労働者全体の約25%、およそ57万人です。
次いで中国からの労働者が多く、約40万人で全体の約18%、次いでフィリピンからの労働者が約24万5千人で全体の約11%です。
またミャンマー、インドネシア、スリランカからの労働者が急増しており、ミャンマーからは約11万5千人で前年比61%増、インドネシアからは約17万人で前年度比39.5%増、スリランカからは約4万人で33.7%増です。

在留資格別分析

「専門的・技術的分野の在留資格」の在留資格取得者が、前年比比較で約72万人、前年比およそ20%増の13万人増加でした。
また「身分に基づく在留資格」が前年比約2%増加の約13万人増加でおよそ63万人、技能実習がおよそ47万人で前年比約14%増加となりました。
また「資格外活動」は約40万人、前年比で約13%増加の約4万5千人の増加となりました。

この記事を書いたライター
牧寛也

牧寛也