目次
在留資格変更許可申請とは何か
まず「在留資格変更許可申請とは何か」について説明します。
これは、文字通り在留資格の変更を申請するものです。
在留資格とはいわゆるビザです。
この在留資格によって、日本においてできることが変わってきます。
観光が目的の在留資格「短期滞在」の方は、観光はできますが、日本で就労することはできません。
また在留資格が「留学」の方は、学ぶことがメインなため、正社員として就労することはできません(許可を得ればアルバイトは可能です)。
そのため日本に留学していた方が、日本の大学を卒業して就職する場合には、留学から、労働が主目的である在留資格への変更が必要です。
技能実習から特定技能に変更する場合なども同様に、在留資格の変更が必要です。
在留資格の変更許可申請を行えば、一度出国して、在留資格を取得する必要がありません。ただ一度付与された在留資格を変更するには、法務省令で定める正しい手続きに従って、法務大臣に対して行わなければなりません。
在留資格変更許可申請書とは? 注意点は?
在留資格を変更するには、「在留資格変更許可申請書」の提出が必要です。
この「在留資格変更許可申請書」は出入国在留管理局のこちらのページから、ダウンロードできます。
上記ページをご覧いただければわかる通り、申請書式はさまざまありますので、変更予定の在留資格に合わせた申請書・資料の提出も必要です。
特定技能であれば特定技能、技能実習であれば技能実習の書式を使います。
ちなみにこの「在留資格変更許可申請書」は、外国人本人のみでは作成することができません。
外国人本人は、申請人等作成用のページのみ作成します。
そして、所属機関等作成用のページは、受け入れ先企業が作成します。
外国人と企業が、コミュニケーションをとりながらの作成が必須となります。
どこに提出すればいい?
提出先は、管轄の出入国在留管理局です。
また各出張所でも申請できます。ですが、病気などの理由で、外国人本人が窓口で対応できない場合もあるかと思います。
その場合には、オンラインで在留資格変更許可申請ができます。
ただしオンライン申請の場合には、外国人本人のマイナンバーカードが必須で、また事前に利用情報登録が必要です。
オンライン手続きについては、出入国在留管理庁の在留申請のオンライン手続きに詳しく記載されておりますので、ご参照ください。
またオンライン手続きではなく、行政書士などに、申請書類の作成や、出入国在留管理局への申請を依頼することもできます。
よくある変更パターン
この章では、よくある在留資格の変更パターンについて説明します。
「技能実習」→「特定技能」への変更
まず、技能実習から特定技能への変更について説明します。
こちらの変更は非常に良く行われていますが、必ず変更できるわけではなく、条件があります。
特定技能へ切り替え可能な技能実習は、以下の14業種に限られます。
- 介護
- ビルクリーニング
- 素形材産業
- 電気・電子情報関連産業
- 建設
- 造船・舶用工業
- 自動車整備
- 産業機械製造業
- 航空分野
- 宿泊業
- 農業
- 漁業
- 飲食料品製造業
- 外食業
そもそも特定技能制度では、日本の人手不足解消のため、特に人手不足が深刻な分野に限り人材を受け入れています。
ですので上記14分野以外の場合にはルール上、切り替えが不可能となっています。
必要な要件
技能実習から特定技能へ移行するには満たすべき要件があります。
- 技能実習2号を良好に修了している。
- 技能実習での職種や作業内容が、特定技能1号の職種と一致している。
技能実習から移行する場合、1号は認められていません。
つまり2年10ヶ月以上技能実習に取り組み、技術にある程度習熟している必要があります。
これは特定技能制度が、日本の人手不足解消のため、即戦力の労働力を求めているためです。
もちろん4~5年目の技能実習3号の場合にも特定技能に移行できます。
ただ3号の場合には実習計画を満了することが必須となります。
また申請書類については、次項をご参照ください。
「留学」→「特定技能」への変更
留学から特定技能への変更手続きも、よく行われています。
在留資格「留学」はあくまで「学業」がメインの在留資格です。そのため「留学」では、許可を得れば、週28時間までのアルバイトなら可能です。
ですが正社員として雇用するなら、いわゆる「技人国」や、「特定技能」取得が必須です。
ここでは「留学」→「特定技能」へ変更する場合の申請書類の手続きについて説明します。ちなみに、「技能実習」→「特定技能」へ変更する場合も、この申請書類の手続きについては、ほとんど同じです。
また申請書の作成は、在留資格変更を行う本人がすべてやらねばならないわけではありません。受け入れ先企業、登録支援機関、また行政書士のサポートを受けながら、書類の記載については外国人本人が行うという形でも問題ありません。
申請人が作成する書類の記載ポイント
ここでは書類作成において、間違いやすいポイント・注意すべきポイントについて、詳細に説明します。
引っ越している場合の住所の記載について
申請書類には、在留カード記載の最新の住所を記載することが必須です。
そのため引っ越しをしている場合には、転入先の役所で、在留カードの裏面に裏書をしてもらい、その裏書の住所通りに記載することが必要です。
変更の理由
在留資格を変更する理由の記載が必要です。
簡潔に「~~株式会社で働くため」といった内容で問題ありません。
技能水準/日本語能力
この欄には、取得した資格を正式名称で記載することが必要となります。
例えば「ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験」というように、書きましょう。
省略して記載する、一部文言が抜けているなどはNGとなっています。
署名
最後に署名が必要です。
鉛筆やシャーペンなど、消せるものはNGで、ボールペンでしっかり記載しましょう。
所属機関が作成する書類の記載ポイント
続いて、所属機関が作成する書類における注意点などについて説明します。
特定技能雇用契約
こちらについては、雇用条件書に沿って記載が必要です。
また「(2)従事すべき業務の内容」内にある「特定産業分野」、また「業務区分」については、運用要領にある通り記載が必要となります。
省略などは許されないので注意しましょう。
勤務させる事業所名
こちらについて、外国人の勤務先が会社の本店ではなく支店である場合などがあります。その場合には勤務先、つまり支店の住所の記入が必要となりますので注意しましょう。
「留学」→「技術・人文知識・国際業務」への変更
この章では、「留学」→「技術・人文知識・国際業務」に変更する場合の書類作成の注意点について説明します。
申請人が作成する書類の記載ポイント
専攻・専門分野
「技術・人文知識・国際業務」は、大学で学んだ専門分野を活かす在留資格です。
ですが専門によっては、該当する専攻・専門分野がない場合があります。
この場合には、「その他」に記入できるようになっています。
所属機関が作成する書類の記載ポイント
続いて、所属機関が作成する書類における注意点などについて説明します。
職種
この「職種」の章では注意点があります。
まず「所属機関等作成用1」の申請書の中の、「職種」の下に(注意)が記載されています。必ずこの(注意)をしっかりと読むことが必須です。
そして職種については、「職種一覧」という別の用紙がありますので、そこから選択して、番号で記入しなければなりません。
注意点について
注意点について簡単に説明します。
特定活動(6月・就労可)への在留資格変更許可申請
「特定技能1号」への在留資格変更を考えていたが、「在留期間の満了日までに、必要書類が揃えられない」ということも発生します。このように変更のための準備に時間がかかるようであれば、「特定活動(6月・就労可)」へ在留資格変更許可申請を行えます。
その期間、日本に在留できるだけではなく、就労予定の受入れ先で業務に従事しながら準備を行うことができます。
大学や企業によるサポート
ここまで、在留資格変更許可申請について説明してきましたが、独力での作成にはやはり困難が伴います。
そのため多くの大学や企業がサポートを行っています。
また出入国在留管理局へ問い合わせることもできます。
まず基本的な在留資格変更許可申請についての知識を身に着けたら、その後、大学や企業がどのようなサポートを行っているのか調べて、可能な限りサポートを受けながら作成するほうがよいでしょう。
オンライン申請について
またオンライン申請をすることもできます
このオンライン申請は以前より申請可能でしたが、2022年3月以前には、外国人を雇用する所属機関の職員のみしかできませんでした。しかし、2022年3月以降に利便性が向上し、外国人本人、そして親族などにもオンライン申請ができるようになりました。
注意点として、申請を行う外国人本人がマイナンバーカードを持っていなければなりません。
またオンラインであるため24時間申請ができますが、以下で説明する必要書類などは同じように用意しなければなりません。その点にも注意しましょう。
オンライン手続きについては、出入国在留管理庁の在留申請のオンライン手続きに詳しく記載されておりますので、ご参照ください。
在留資格変更許可申請書以外に必要な書類
ここでは必要書類について説明します。
在留資格を変更するには、在留資格変更許可申請書のほか、主に以下の書類が必要です。
- パスポート
- 外国人登録証明書(在留カード)
- 申請書に添付する顔写真(4×3)
- 申請理由書
- 資格変更後の活動を証明できる書類(雇用契約書など)
また上記以外にも、どの在留資格に変更するかによって別途必要な書類がでてきます。
例えば留学生が就職する場合には「卒業証明書」、または「卒業見込み証明書」が必要です。また職業を変える場合には、「退職証明書」と「源泉徴収票の写し」が必要です。
また在留資格「技術・人文知識・国際業務」の場合には以下の書類が必要です。
- パスポート
- 外国人登録証明書(在留カード)
- 在留資格変更許可申請書
- 申請書に添付する顔写真(4×3)
- 採用・招へい理由書・職務内容説明書
- 申請人の履歴書
- 最終学歴の証明書(卒業証書)
- 職歴を証明する文書
- 雇用主の概要を明らかにする資料(登記事項証明書と会社のパンフレットなど)
- 資格変更後の活動を証明できる書類(雇用契約書など)
- 前年分の源泉徴収票等法定調書合計表(受付印のあるものの写し)
また例えば「日本人の配偶者等」や「定住者」などの在留資格に変更する場合には、身元保証書や戸籍謄本など、身分関係を証する文書が必要となります。
まとめ
最後に今回の記事の内容を簡単にまとめます。
在留資格変更許可申請とは何か
在留資格の変更を申請するものです。
一度出国して、改めて在留資格を取得する必要のない便利な制度です。
在留資格変更許可申請書とは? 注意点は?
「在留資格変更許可申請書」を出入国在留管理局のこちらのページから、ダウンロードします。ただ、変更予定の在留資格に合わせた申請書・資料などの提出が必要ですので注意しましょう。
また外国人本人は、申請人等作成用のページを、所属機関等作成用のページは、所属機関が作成します。
どこに提出すればいい?
提出先は、管轄の出入国在留管理局です。また各出張所でも申請できます。
またオンラインにて、在留資格変更許可申請ができます。
ただし、オンライン申請の場合には、外国人本人のマイナンバーカードが必須で、また事前に利用情報登録が必要なので注意しましょう。
オンライン手続きについては、出入国在留管理庁の在留申請のオンライン手続きに詳しく記載されておりますので、ご参照ください。
特定活動(6月・就労可)への在留資格変更許可申請
「在留期間の満了日までに、必要書類が揃えられない」という場合には、「特定活動(6月・就労可)」へ、在留資格変更許可申請を行えます。
その期間、日本に在留できるだけではなく、就労予定の受入れ先で業務に従事しながら、準備を行うことができます。
大学や企業によるサポート
ここまで、在留資格変更許可申請について説明してきましたが、独力での作成にはやはり困難が伴います。
そのため多くの大学や企業がサポートを行っています。
また出入国在留管理局へ問い合わせることもできます。
在留資格変更許可申請書以外に必要な書類
在留資格を変更するには、在留資格変更許可申請書のほか、主に以下の書類が必要です。
- パスポート
- 外国人登録証明書(在留カード)
- 申請書に添付する顔写真(4×3)
- 申請理由書
- 資格変更後の活動を証明できる書類(雇用契約書など)
また上記以外にも、どの在留資格に変更するかによって、別途必要な書類がでてきます。