在留資格「特定活動」とは

在留資格「特定活動」とは

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「在留資格が特定活動の場合、雇用してもいいのか」と疑問に思う企業の方が多々いらっしゃるようです。そこでこの記事では在留資格「特定活動」について、詳細に解説します。

在留資格「特定活動」とは

在留資格「特定活動」とは

在留資格「特定活動」とは、出入国在留管理庁のページによると「法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動」とあります。わかりにくいので具体的に例を挙げますと、ワーキング・ホリデーの人、外交官などのお手伝いさん、またスキーのインストラクターや、アマチュアスポーツ選手とその家族などが、この「特定活動」に該当します。
ざっくり言えば、ほかの在留資格を適用できない外国人が、滞在するために取得する在留資格ということができ、在留期間は最大5年間です。

在留資格「特定活動」が存在している理由は、手続きを簡易化するためです。
新しい在留資格を作るためには法律の改正が必要です。ですがこの「特定活動」の場合には法改正などせず、法務大臣が決定権を持っているので簡単です。例えばコロナの影響での帰宅困難者のための在留資格も、特定活動を使えば迅速に対応できるわけです。

特定活動は3に分類される

特定活動は3に分類される

特定活動は「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」、「告示特定活動」、「告示外特定活動」の3つに分類されます。

「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」

これは、高度な技術を持つ外国人人材、またその家族のための在留資格です。
「特定研究活動」
「特定情報処理活動」
「特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動」
の3つに分類できます。

1つ目の「特定研究活動」は、高度な知識を有する外国人人材を受け入れるためのものです。2つ目の「特定情報処理活動」は自然科学、もしくは人文科学における情報処理関連の業務に従事する外国人人材のための在留資格です。
最後「特定研究等家族滞在活動及び特定情報処理家族滞在活動」は、上記2つの在留資格を取得する人材の、家族のための在留資格です。

「告示特定活動」

こちらは現在47種類ありますが、増えたり減ったりが頻繁に起こっています。
流動性があることが特徴と言えます。
法務省のページを参考に、以下に現在存在する告示特定活動を列記します。

  • 告示1号・告示2号・告示2号の2:家事使用人(外交官等)
  • 告示3号:台湾日本関係協会職員及びその家族告示4号:駐日パレスチナ総代表部職員及びその家族
  • 告示5号・告示5号の2:ワーキングホリデー
  • 告示6号・告示7号:アマチュアスポーツ選手とその家族
  • 告示8号:国際仲裁代理
  • 告示9号:インターンシップ
  • 告示10号:英国人ボランティア
  • 告示12号:サマージョブ
  • 告示15号:国際文化交流
  • 告示16号~24号、27号~31号:
    インドネシア、フィリピン、ベトナム二国間の経済連携協定(EPA)
    看護師・介護福祉士関係
  • 告示25号・告示26号:医療滞在とその同伴者
  • 告示32号:外国人建設就労者
  • 告示33号:高度専門職外国人の就労する配偶者
  • 告示34号:高度専門職外国人又はその配偶者の親
  • 告示35号:外国人造船就労者
  • 告示36号:特定研究等活動
  • 告示37号:特定情報処理活動
  • 告示38号:特定研究等活動家族滞在活動
  • 告示39号:特定研究等活動等の対象となる外国人研究者等の親
  • 告示40号・告示41号:観光、保養を目的とする長期滞在者とその同伴者
  • 告示42号:製造業外国従業員受入事業における特定外国従業員
  • 告示43号:日系4世
  • 告示44号・告示45号:外国人起業家とその配偶者
  • 告示46号・告示47号:本邦大学卒業者とその配偶者等
  • 告示48号・告示49号:オリンピック関係者とその配偶者
  • 告示50号:スキーインストラクター

※ 告示11号、13号及び14号は削除されました。

基本的にこれら告示特定活動は「○号告示」と番号で呼ばれることが多いです。

「告示外特定活動」

ほかの在留資格に該当せず、なおかつ上の二つにも当てはまらない場合、この「告示外特定活動」になります。外国人個々の事情に合わせて、法務大臣が個人別に認めた在留資格です。
具体的には、出国準備のためや、学校を卒業したが就職活動を継続したい場合、技能実習生から特定技能に移行する場合、また何かしらの理由で帰国が困難になってしまった長期在留者などに、この告示外の特定活動の在留資格が与えられます。

外国人採用の際、知っておくべき特定活動

特定活動には様々な種類があります。
これらを全部把握しておくことはほとんど不可能ですので、外国人人材雇用に関係するものや、覚えておくといい告示外特定活動についてこの章で簡単にまとめます。

就職活動を継続する場合(告示外特定活動)

大学や専門学校への留学生が、在学中に就職先が決まらなかったが「卒業後も就活をしたい!」という場合、この告示外特定活動の在留資格を取得できます。主な対象者は日本の大学か専門学校を卒業した留学生です。
在留期間は6ヵ月、1回だけ更新できます。
在留資格「留学」からこの「特定活動」に切り替えるためには、卒業証明書などを出入国在留管理庁に提出して手続きする必要があります。

留学生を採用する場合(特定活動46号)

特定活動46号は留学生です。
特定活動46語の場合には、外国人が大学で学んだことと、関連性のない業務にも従事することができます。
しかし、誤解されやすいですが、46号の場合はどんな仕事にも従事できるわけではありません。
専門性が不要な「接客業務」や「正業業務」にも従事することはできますが、そのなかに、翻訳だったり通訳だったりと、ある程度の専門性を含んでいる必要があります。この専門性は翻訳など以外でも、例えば商品企画や技術開発などでも問題ありません。

ワーキングホリデー

告示5号のワーキングホリデーの場合も、雇用可能です。
そもそもワーキングホリデーとは、日本と協定などを結んだ国の外国人が、旅行資金や滞在資金を補う範囲での労働を認める制度です。
ワーキングホリデーの在留期間は6ヵ月、もしくは1年で、在留資格の更新はできません。
また建前上、目的は「休暇」ですので、労働がメインとならないよう、外務省により以下のルールが定められています。以下、外務省のページより引用します。
引用開始

  • 相手国・地域に居住する相手国・地域の国民・住民であること。
  • 一定期間相手国・地域において主として休暇を過ごす意図を有すること。
  • 査証申請時の年齢が18歳以上30歳以下であること(オーストラリア,カナダ,韓国及びアイルランドとの間では18歳以上25歳以下ですが,各々の政府当局が認める場合は30歳以下まで申請可能です。また,アイスランドとの間では18歳以上26歳以下の方が申請可能です。)。
  • 子又は被扶養者を同伴しないこと。
  • 有効な旅券と帰りの切符(又は切符を購入するための資金)を所持すること。
  • 滞在の当初の期間に生計を維持するために必要な資金を所持すること。
  • 健康であること。
  • 以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。

引用終わり

インターンシップ(特定活動9号)

特定活動9号はインターンシップですが、インターンシップには厳密には2種類あり、報酬をもらうインターンシップは特定活動9号、報酬がない場合には短期滞在か文化活動の在留資格となります。

特定活動9号の場合には、在留期間1年未満で、なおかつ大学の修業年限の2分の1を超えない期間と定められています。

サマージョブ

サマージョブは告示12号です。
この12号の場合、日本の企業で働くことができます。
ですが「サマージョブ」という名前の通り「夏休みの間に働く」ための在留資格です。
そのため3か月以上の在留はすることができませんので、基本的には短期の労働しか行うことができません。

高齢な両親の呼び寄せ

労働している外国人人材が家族を呼び寄せることができる場合があります。
両親が高齢で、母国に身寄りがない場合などには、人道上の配慮から特定活動の在留資格を家族が取得し、呼び寄せることができる場合があります。
取得することができれば日本での労働をやめて帰国せず、呼び寄せてそのまま日本の企業で働き続けることができます。
ですがこの場合の許可基準は公表されていないため、取得のためのハードルはとても高いです。両親が高齢であり、身寄りがなく、呼び寄せる外国人人材に確かな収入源があることが最低限の条件となります。

医療・入院

入院して治療を受けないと危ない場合や、入院している外国人の付き添いをする場合にも、特定活動の取得が可能なことがあります。
目的は「治療」や、治療相手の「付き添い」なため、特定活動でもこの場合には当然労働することはできません。

難民

戦争などの理由で日本に逃げてきた場合には、難民申請を行うことができます。
難民であることが認められた場合には、在留資格「定住者」を取得することができ、「定住者」となった場合には労働することができます。
ですが「難民申請の厳格化」が行われるなどしたため、難民受け入れはたったの0.3%となっており、こちらに関しても大変ハードルが高いのが現状です。

就労可能な特定活動と、不可な特定活動

就労可能な特定活動と、不可な特定活動

就労可能な特定活動もあれば就労できない特定活動もあります。複雑で難しく感じられるかもしれませんが、実は就労可能かどうかは「指定書」を見ればすぐにわかるようになっています。

指定書とは

中期滞在と長期滞在者には在留カードが与えられますが、特定活動の場合にはこの在留カードに労働可能か不可かの記載がありません。代わりに、労働可能な場合、「指定書により指定された労働のみ可」との記載がされています。指定書はパスポートに添付されています。

指定書を見て判断する

前述のように、在留カードの裏面に「指定書により指定された就労活動のみ可」と記載がある場合には、指定書を確認しましょう。この「指定書」に、特定活動の詳細活動が記載されています。本文に「報酬を受ける活動を除く」と書いてある場合には就労不可です
また就労できる場合には、どの分野や業種で就労できるか、もしくは働ける企業が決まっている場合にはその旨が、記載されています。

在留資格「特定活動」の外国人を雇用する注意点

許可が下りにくい

特定活動は制度がとても細かいうえに、審査基準が公開されていません。
そのため正直なところ、どのような理由で申請をするかにもよりますが、取得のハードルは高めであることは認識しておかねばなりません。

時間がかかる

許可が下りにくいだけではなく、手続きに時間がかかる場合がほとんどです。
特に就労可能な特定活動を申請する場合には、勤務先や業務内容に関する書類も多数必要になりその用意にも大変時間を使います。
そのうえ審査基準が公開されていない関係で、不備が起こりやすいです。
不備がなかったとしても、許可されるまでに大変時間がかかります。
そのため特定活動の在留資格を取得する場合には、時間の余裕をもって申請を行わなければなりません。

まとめ

まとめ

在留資格「特定活動」について簡単にまとめます。
在留資格「特定活動」とは、ほかの在留資格を適用できない外国人に適用されます。
このような在留資格が存在している理由は手続きを簡素化するためです。
特定活動は①「出入国管理及び難民認定法に規定されている特定活動」②「告示特定活動」③「告示外特定活動」の3つに分類されます。
ですがこの「特定活動」の数は非常に多いため、雇用できる特定活動を覚えることはほとんど不可能です。しかし労働が可能かどうかはパスポートに添付されている指定書を見ればわかるようになっており、本文に「報酬を受ける活動を除く」と書いてある場合には就労できません。
ほとんどの「特定活動」は審査基準が公開されていない関係で、許可が下りにくく、また申請に不備が起こる場合も多く手続きに大変時間がかかります。
ですので特定活動の取得後に働きたいなどの場合には注意が必要です。

この記事を書いたライター
カナエル運営事務局

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外国人材に関わる方向けに情報を発信する総合メディア「カナエル」の中の人です。 外国人採用をはじめ、特定技能・技能実習に関する有益な情報を発信します。