外国人材制度の最新用語集【2026年版】

外国人材制度の最新用語集【2026年版】

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日本の外国人材受入れ制度は大きな転換点を迎えています。
長年続いてきた「技能実習制度」は「育成就労制度」へと完全移行することが予定されており、それに伴いルールが変更されたり、新たな用語が生まれたりしました。

制度が変わることにより、多くのメリットがあります。
ですが「転籍制限の解釈は?」 「そもそも育成就労制度とは?」と、疑問点・不安点もあるのではないでしょうか?
これらの用語を正しく理解できていないと、コンプライアンス上のリスクを招いたり、優秀な人材を他社に取られてしまったりするかもしれません。

本記事では、2026年現在の最新状況に基づき、外国人材採用において「今、絶対に知っておくべき」最重要用語を解説します。
制度の全体像を俯瞰する基礎用語から、実務の成否を分ける細かな運用ルールまで紐解いていきます。

1. 新制度の重要用語

1. 新制度の重要用語

育成就労制度

まずは今、最も注目の用語と言える育成就労制度について説明します。
「育成就労制度」は2027年4月に施行予定となっており、技能実習制度を廃止して、新たに生まれ変わらせるような制度設計となっています。
技能実習制度は技能を移転し国際貢献することを目的としています。
ですが育成就労制度は、「人材確保」と「育成」を目的としており、日本社会への長期的な定着を目指しています。

育成就労制度となった背景として、従来の技能実習制度では様々な課題が指摘されていたことがあげられます。
たとえば特定技能に移行できない職種が多数あったり、転籍の自由がなかったりという点です。

育成就労制度は、「人材確保」と「育成」だけではなく、そのような課題を解消することも目指しています。
まず、複数の分野で特定技能に移行できるような制度設計となる予定です。そして受け入れ先企業の倒産などの場合でしか従来は転籍ができませんでしたが、本人の意思による転籍ができるようになる予定です。

育成就労産業分野

続いて育成就労分野で受け入れ予定の産業分野についてです。
こちらについては分野別に運用方針を定めることになっています。
この方針は学識経験者や、労使団体などから構成される有識者会議の意見を聞いて、その上で決定される予定です。
決まり次第、出入国在留管理庁のWebページにて発表される予定です。

ただ特定技能へのスムーズな接続を目指すため、特定技能の受け入れ産業分野に準じた内容になるのではないかと考えられています。

またこちらの特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野によれば、既存の分野にプラスして、「リネン供給」や、「物流倉庫」、「廃棄物処理」などが、追加が検討されている分野として想定されていることがわかっています。

本人意向の転籍

育成就労制度となり、本人の意思による転籍が認められる予定です。
従来は受け入れ先企業の倒産などの場合でしか、転籍はできませんでした。
そのため育成就労制度への法改正の中で最も注目されている点でもあります。

本人の意思による転籍は可能になる予定ですが、いくつか条件があります。
まず他業種への転籍は禁止となる予定で、「同一の業務区分であること」も転籍の条件の一つとなっています。
そして就労期間に関する条件もあります。
業務に数ヶ月従事しただけでは転籍はできず、分野によって1〜2年の就労期間が必須となるよう検討されています。

劣悪な職場環境である場合には、外国人材はより良い条件を求めて他社へ移ることができるようになる予定です。

2. 特定技能の変更点について

特定技能に関する用語について、解説します。

特定技能2号

まず特定技能2号について説明します。
特定技能には1号と2号があり、2号は特に熟練したスキルを持つ外国人人材向けの在留資格です。
条件を満たせば家族の帯同が認められており、更新の制限もありません。

特定技能16分野(12分野から4分野追加)

また特定技能は、新たに16分野となりました。

1.介護
2.ビルクリーニング
3.工業製品製造業
4.建設業
5.造船・舶用工業
6.自動車整備
7.航空
8.宿泊
9.農業
10.漁業
11.飲食料品製造業
12.外食業
13.自動車運送業
14.鉄道
15.林業
16.木材産業

もともとは1〜12までの12分野でした。
ですが2024年3月より、13〜16の「自動車運送業」「鉄道」「林業」「木材産業」の受け入れを新たに開始しました。

追加された4分野について

2024年度に深刻な人手不足を解消するため、対象分野が12から16へと拡大されました。

自動車運送業

物流の2024年問題などもあり、慢性的な人手不足に陥っていました。
この人材不足解消をねらって、新たに追加されました。
ちなみに物流の2024年問題とは、働き方改革のため、トラック運転手の時間外労働時間が年間960時間に規制され、それにより輸送能力が足りなくなったり物流コストが上がったりするという問題です。

自動車運送業では「バス運転者区分」「タクシー運転者区分」「トラック運転者区分」と分かれています。

例えばバス運転者では旅客を安全に輸送したりお客様対応をしたり、また車内清掃や運賃管理など、付随業務も行えるようになる予定です。

鉄道

鉄道業界も、慢性的な人手不足に悩まされていました。
そのため鉄道分野では、駅務員、車両整備、軌道整備といった業務が対象となる予定です。
公共交通機関の要である鉄道業務を担う、即戦力としての活躍を期待されています。

林業

日本の国土は、約3分の2が森林となっています。
ですが危険を伴う業務であることから、「林業」も高齢化や、深刻な人手不足に陥っています。このまま人手不足が進むと、土砂災害の防止をはじめとするリスクの上昇にもつながります。

そのため新たな対象分野として加わりました。
育林区分と素材生産区分に分かれています。

育林区分では、苗木の植栽や下刈り、枝打ち、間伐などの森林を育てる業務が中心となります。
また素材生産区分では、チェーンソーやプロセッサなどを利用した伐採、枝払い、丸太の造材、搬出がメイン業務となります。

付随業務として、作業道の開設や補修、苗木の運搬や資機材のメンテナンスや、現場の安全管理も行うことができます。

木材産業

木材産業も対象となります。
こちらは林業で切り出された木材を、製品へと加工する分野です。
林業がいわゆる川上であり、木材産業が川中ということができます。

木材産業では、主に製材・木材加工区分、そして合板製造区分に従事可能です。

製材・木材加工区分:
丸太から、板や角材を製材する、乾燥させたりかんな掛けをしたり、集成材を製造したりする業務。

合板製造区分:
薄い木材を積み重ねて、ベニヤ板などの合板を作る業務。

また付随業務として、製品の結束や梱包、出荷などの単純作業にくわえ、木くず清掃や、加工機械の簡単なメンテナンス、フォークリフトでの運搬などに従事可能です。

日本語能力試験

特定技能1号を取得するためには、一定レベルの日本語能力があることを、試験にて証明することが必要です。
主に以下2つの試験のどちらかに合格しなければなりません。

1. 国際交流基金日本語基礎テスト

就労目的で来日する外国人が、主なターゲットです。
全国のテスト会場にあるコンピューターで行われるCBT形式の試験です。
「文字と語彙」「会話と表現」「聴解」「読解」の④セクションから総合的に日本での生活で求められる日本語コミュニケーション能力を測定します。
特定技能1号取得のためにはA2レベル(簡単な日常会話レベル)が求められます。

2. 日本語能力試験(JLPT)

こちらはN1〜N5までのレベルに分かれています。
特定技能1号を取得するためには、JLPTのN4以上が求められます。
N4は国際交流基金日本語基礎テストとレベルは基本的に同じで、こちらも同様に簡単な日常会話レベルとなります。

登録支援機関

受け入れ先企業から委託を受けて、支援計画の作成や実施、出入国在留管理庁への届出などのサポートをします。
具体的には事前ガイダンスや生活オリエンテーションの実施、出入国時の送迎、生活・日本語学習の支援などを行います。

事前ガイダンスでは、入国前に、雇用契約の内容・生活のルールについて詳しく説明し、また生活オリエンテーションでは電車やバスの乗り方や銀行口座の開設など入国後のサポートを行います。

そして「育成就労制度」では、「監理支援機関」へと統合・再編される予定です。

外部監査人

外国人材の受け入れ状況のチェックを行う機関です。
受け入れ企業・支援機関(育成就労制度では監理支援機関)から独立した立場です。
「育成就労」では、全ての監理支援機関が、外部監査人の設置を義務付けられます。

OTIT

OTITは、Organization for Technical Intern Trainingの略称です。
法務省・厚生労働省所管の認可法人で、実習計画の認定や、受け入れ先企業、監理団体への指導・監督をしています。

つまり具体的な業務として、事前に実習計画をチェックしたり、不正がないかの監視をしたりしています。また母国語による相談窓口を運営して、外国人材を守る役割も担っています。

外国人育成就労機構

外国人育成就労機構が2027年4月から設立されます。
こちらの機関は、育成就労計画の認定、そして育成就労計画に基づく育成就労が、計画通り実施されているかの確認などを行います。

定期届出の年次化

事務負担の軽減のため、受け入れ先企業が出入国在留管理局へ行う「定期届出」は、2025年4月1日に四半期(3ヶ月)ごとから、1年ごとの「年次報告」へ変更されました。

3. コンプライアンス用語

3. コンプライアンス用語

監理支援機関

「技能実習」の監理団体と、「特定技能」の登録支援機関が統合されるイメージです。技能実習は監理団体が、特定技能は登録支援機関が対応となっていました。
ですが育成就労から特定技能へのスムーズな移行を支えるため、監理団体と登録支援機関が監理支援機関に再編されます。

今まで通り、監理業務は行います。
受け入れ先企業を定期的にチェックし、育成就労を終えた外国人材が、特定技能へスムーズに移行できるように支援します。

また原則「非営利法人」であることが必須となります。

協力確認書

協力確認書は、特定技能の申請で必須となりました。
これは受け入れ先企業の事業所が、外国人人材が住む自治体に、地域の共生施策に協力する旨を誓約したことを証明するものです。

特定技能外国人は急増しています。
日本の産業を支えてくれていますが、地域社会との摩擦もおこっています。
2025年4月1日の施行以降、雇用契約を結んだら出入国管理局に申請する前に、自治体への提出が必要となりました。
「雇って終わり」ではなく、「地域コミュニティの一員となるようサポートする」ことも、検討されています。

不法就労助長罪の厳罰化

技能実習制度・また特定技能制度の現在の状況を鑑みて、不法就労助長罪は厳罰化されました。
経営者や採用担当者はもちろんですが、法人への罰則も厳しくなりました。不法滞在者を雇ったり、資格外の仕事をさせたりはもちろん、不法就労を斡旋するなどの悪質なブローカー行為も処罰の対象となっています。

4.なぜ育成就労制度へ変わり、用語が変わったのか

4.なぜ育成就労制度へ変わり、用語が変わったのか

「技能実習」と「育成就労」の対比

「技能実習制度」は、1993年から続いてきました。
ですが2027年に「育成就労制度」へと制度へ移行予定です。

目的の違い

技能実習は、主に日本で学んだ技術を母国へ移転する国際貢献が目的でした。しかし育成就労では、人材確保と人材育成を目的としています。
日本の深刻な人手不足を解消するための制度と、はっきり銘打っています。

転籍が条件付きで可能

技能実習では、受け入れ先企業の倒産など以外では、「転籍」はできません。ですが育成就労では、一定の要件(就労期間が1〜2年あること、同じ業種であることなど)を満たしていれば、本人の意思による転籍が可能となる予定です。

特定技能へスムーズな移行

従来の技能実習制度では、職種によっては移行ができませんでした。
ですが育成就労では、ほとんどの職種で、3年間の就労と試験に合格することで、「特定技能1号」へ移行できるような設計となる予定です。

二国間協定(MOC)

日本政府、そして、送り出し国の政府との間で、結ばれます。
特定技能外国人の送り出しと受け入れを、適正に行うことが目的です。
外国人材の保護はもちろん、不当に金銭を儲ける悪質なブローカーを排除することも目的です。

本来不要な保証金を徴収したり、人権侵害を行ったりするブローカーや、送出し機関の情報を、二国間で共有します。
日本はベトナムやフィリピン、インドネシアやタイ、ミャンマーなど19カ国とこのMOCを締結しています。

在留カード(マイナンバーカードとの一体化)

2026年6月14日から「在留カード」と「マイナンバーカード」の機能を1枚に集約した特定在留カードとして運用開始予定です。

理由として、外国人材が管理すべきカードが、総務省・自治体管轄の「マイナンバーカード」、法務省管轄の携帯が義務付けられている「在留カード」の2枚があり、外国人材にとって管理の負担がありました。
また1枚になることで、住所変更や在留期間更新時の手続きもスムーズになるため、外国人材の負担だけでなく、行政の事務負担も軽減されることが想定されます。

5.まとめ

「技能実習」から「育成就労」へと舵を切ります。
また特定技能の対象分野も増えるため、育成就労や、林業・木材産業などの新分野、特定在留カードの導入など新たな用語が多く出てきています。

受け入れ先企業は、用語の理解や手続きの遵守だけではなく、今後は外国人材の育成や、協力確認書を通じた地域社会との共生、そして透明性の高い支援体制の構築などが必須となっています。
制度の最新用語を正しく理解して、適正に運用していくことが、受け入れ先企業にとっても外国人材にとっても、今後は大切になっていくと言えるでしょう。

この記事を書いたライター
カナエル運営事務局

カナエル運営事務局

外国人材に関わる方向けに情報を発信する総合メディア「カナエル」の中の人です。 外国人採用をはじめ、特定技能・技能実習に関する有益な情報を発信します。