本記事では、近年注目が高まっている外国人人材紹介サービスについて、そして外国人雇用に関する基礎知識を解説します。
目次
そもそも外国人人材紹介サービスとは？
外国人人材紹介会社・人材紹介サービスについて、まず簡単に説明します。
外国人を採用するときには、外国人向けの求人広告の出し方を考えたり、採用基準の設定、ビザの申請などいろいろな問題があります。外国人採用の経験や知識がなければ、採用担当者の仕事は非常に大変です。
それらの問題を解決するために、外国人人材紹介サービスがあります。
外国人人材紹介サービスは、求人広告の掲載や採用の基準策定、ビザの申請など、外国人採用に関する一連の業務を代行してくれます。
外国人人材は年々増加傾向
日本では周知のとおり、少子高齢化により、若い労働力が減っており、それは今後ますます深刻になります。
この問題を解決するため、政府は外国人を積極的に受け入れ始め、様々なルールを作っています。
それに呼応するように、企業も労働力不足を解消する有望な一手として、外国人を積極的に採用しています。
方法がわからず先に進まないという企業のため、外国人人材紹介サービスも年々増加し、サービスの質を向上させています。
在留資格・特定技能について
2019年4月から、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れるための在留資格が新設されました。これが特定技能です。
この特定技能の新設後、外国人人材の受け入れがますます活発になりました。
特定技能では、介護、ビルクリーニング、素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業の12分野で受け入れが可能です。
外国人雇用のメリット
外国人雇用のメリットについて、説明します。
人手不足解消
日本人に限って募集をかけても人が集まらない場合でも、外国人を視野に入れると簡単に人が集まる場合が多く見られます。
また自分のスキルアップや新しい環境に適応するために努力する外国人が多いため、既存の日本人スタッフに良い刺激を与えてくれることがあります。
英語や中国語ネイティブの雇用
外国人労働者には、英語や中国語などを流暢に話せる方もいます。
近年インバウンドが増えているため、英語や中国語ネイティブが、企業の強力な戦力として活躍してくれる事例が数多くあります。
また海外進出を進める計画があるのであれば、進出先の国の習慣や文化を、深く理解しているため助けになります。
新しい風
外国人はあたりまえですが、日本とは異なる環境や文化の中で育ってきました。
そのため日本人とは異なる視点から物事を考えることができて、全く新しいアイディアを生み出すことができるケースがあります。
外国人雇用のデメリット
言語の壁
言葉も文化も違いますので、トラブルが発生しやすいです。
ですがコミュニケーションにおいては、主に以下の2点に注意をすれば解決できます。
- 日本語レベルに応じた指示を出す
- 日本語があまり得意でない人には、具体的に指示を出す。
また努力してくれる外国人が多いです。ですので職場で日本語を話す機会を増やすと、コミュニケーションの問題を乗り越えられる場合があります。
手続きが日本人雇用より複雑
外国人を雇う場合には、日本人とは違う手続きがあり、異なるルールがあります。
たとえば日本人の場合には不要な届け出がいくつもあったり、在留資格によって働くことができる職種が決まっていたりします。
ですがこちらも、知識がある従業員を雇用する、また外国人人材紹介会社を利用するなどすることで解決できます。
雇用までに時間がかかる
海外にいる外国人を雇う場合、ビザの発行や、日本への渡航に時間がかかります。
そのため日本人のように採用後すぐに、業務に従事してもらうことが難しい場合があります。
また日本在住の外国人材を雇う場合も、在留資格の変更手続きが必要になるなどする場合には、同様に業務に従事するまでに時間がかかる場合がありますので注意が必要です。
外国人人材紹介サービスの種類
外国人人材紹介サービスについて、説明していきます。
大きく分けて「一般紹介・登録型」と「サーチ型」の2種類があります。
「一般紹介・登録型」
「一般紹介・登録型」は、人材紹介会社の登録者の中から企業の条件に合う人を探してくれます。
こちらの要望に合わせて、例えば日本語が得意な人や特定のスキルや経験を持っている人などを紹介してくれます。
さらに「一般紹介・登録型」は、「総合タイプ」と「専門タイプ」の2種類に別れます。
「総合タイプ」は、幅広い業種を取り扱っています。
「専門タイプ」はその名の通り、特定の専門業界に特化しています。
「サーチ型」
いわゆるヘッドハンティングやスカウトと呼ばれる方法になります。
人材紹介会社が保有する登録者データベースだけではなく、人材紹介会社が利用できるその他のネットワーク（他社人材データベース、SNSなど）も利用して、人材を探してくれます。
外国人人材紹介サービスの料金体系
外国人人材紹介サービスでは、外国人を採用したときに、成功報酬として料金を払うシステムが一般的です。
成功報酬の金額は、採用した外国人の初年度の給料（外国人の基本給、残業代、各種手当、賞与の合計額）の35%が相場です。
おすすめの紹介会社7社
おすすめの外国人人材紹介サービスをご案内します。
ゴーウェル
特徴：アジアの人材が中心です。アジア圏の人材をご希望であれば、条件に合った人をすぐに見つけることができます。
全国の企業に利用されており、ベトナム人の登録者が圧倒的に多いです。
雇用形態：正社員や派遣など、さまざまな雇用形態があります。
国籍：ベトナム、タイ、インドネシア、ミャンマー、ネパール、中国、台湾、韓国、マレーシア、フィリピン10か国籍の人材が主に登録しています。
YOLO JAPAN
特徴：日本に住む外国人向けの求人情報と、さまざまなサービスを提供する会員制のサイトです。世界中の226ヶ国から、25万人以上のユーザーが登録しています。
外食業や宿泊業、受付、事務など、さまざまな業種の求人情報を掲載しています。
人材紹介型ではなく、企業が求人情報を掲載して応募を待つ方式です。
雇用形態：正社員や派遣、アルバイトなど
国籍：226ヶ国
株式会社グローアップ
特徴：外国人留学生を中心とした人材紹介を行っており、主に飲食業を中心に人材を紹介しています。
ビジネスマナー研修をしっかり行なっている点が、グローアップが紹介する人材の特徴といえます。
また指定された銀行口座の開設、ビザの適正審査や履歴書の真偽調査、生活サポートなどを行っています。
雇用形態：正社員、アルバイトなど
紹介国籍：非公開
外国人求人ネット ACE
特徴：外国人高度人材に特化した紹介会社です。
高い日本語能力があり、さらに専門知識や技術、経験がある外国人人材を紹介しています。
国内に住んでいる人材がメインですので、ビザの更新や切り替えの手続きがスムーズにできる場合が多いです。
雇用形態：正社員、派遣など
国籍：91ヶ国以上
TOHOWORK
特徴：ベトナム人の人材紹介がメインです。
申し込みから入社まで、すべてをサポートしており、入社後もSNSなどで定期的にサポートをしてくれ、また6ヶ月の保証期間を設けています。
建設業務、港湾運送業務を除く全業種対応です。
雇用形態：正社員、派遣など
国籍：ベトナム
グローバルパワー/GROBAL POWER
特徴：20年以上、高度人材に特化した人材紹介をしており、確かな実績がある外国人材紹介会社です。
4万人もの高度人材のデータベースを持っているため、企業にぴったりの人材紹介が可能となっています。
また外国人雇用や外国人マネジメント、異文化コミュニケーションを学べる研修や講習をやっていたり、オンラインで翻訳やリサーチを依頼できるサービスもやっています。
マイナビ
特徴：外国人留学生や海外留学経験のある人の人材紹介サービスを展開しています。
具体的には、日本に住んでいる外国人留学生や、海外留学経験がある日本人学生が対象です。
雇用形態：正社員、派遣など
国籍：日本人も含む
外国人人材紹介会社を利用するメリット
良いマッチングが行える
求人広告では載せられない細かい条件を設定できます。
その条件をもとに人材紹介会社が応募者を絞り込んでくれるので、採用担当者は、ニーズにマッチした人材だけと面接することができます。
また人材紹介会社が応募者に会社のことを紹介して、簡単に業務内容の説明もしてくれるので、会社のことを知ってもらうことができます。
そのため知名度の低い会社でも紹介会社が企業の魅力を伝えてくれるので、人材を集めやすくなります。
コストカットできる
費用を抑えられます。
具体的には以下の3点が理由です。
- 採用できなかった場合、費用がかからない
- 採用した人材が入社するまで紹介手数料が発生しない。
- 早期退職した場合、費用の一部が返ってくる
人材紹介サービスでは採用が決まってから料金を支払いますので、採用に至らなかったら料金はかかりません。それだけではなく、採用した人材がすぐに辞めてしまった場合も料金の一部が返ってくる規定があります。
仕事量の減少
人材紹介サービスは採用担当者の代わりに、例えば求人広告の掲載や応募者の対応、面接の調整など、さまざまな採用業務をしてくれるので採用担当者の負担を減らしてくれます。
外国人人材紹介会社の選び方
外国人人材紹介サービスには様々なメリットがありますが、具体的な選び方について、説明します。
強みがそれぞれ違う
人材紹介会社には、例えば高度人材を扱っている、飲食業界中心に送り出しているなど、それぞれ強みがあります。
会社によって得意な分野と不得意な分野があるので、事前に「どの業界に強みを持っているか」「どのような人材を扱っているか」をよく確認して、人材紹介会社を選びましょう。
サポート力にも差がある
主に企業へのサポートと、外国人人材へのサポートがあります。
外国人人材紹介会社は、企業の採用ニーズをヒアリングして、ニーズにマッチした外国人人材を紹介してくれます。これはもちろん、どの会社でも行ってくれます。
また外国人人材の採用に必要な手続きや、外国人人材の入社後のフォローなども、大抵の外国人人材紹介会社は行ってくれます。
現在はそれだけではなく、外国人人材へのサポートを、手厚く行う紹介会社も増えています。
履歴書・職務経歴書の作成や、企業が指定する銀行口座の開設サポート、また入社後にSNSなどで外国人人材をサポートする紹介会社もあります。
在留資格について
日本では、留学や特定技能、「技術・人文知識・国際業務（技人国）」ビザなど、就労できるビザの種類が多数あります。
特定活動や留学ビザで来日している場合には、正社員として働くためには、在留資格を切り替える必要があります。
そのため採用する前に求職者が持つビザの種類の確認が必須ですので注意しましょう。
まとめ
最後に記事の内容を簡単にまとめます。
そもそも外国人人材紹介サービスとは？
外国人人材紹介サービスは、求人広告の掲載や採用の基準の策定、ビザの申請など、外国人採用に関する一連の業務を代行してくれます。
外国人人材紹介サービスの種類
「一般紹介・登録型」
「一般紹介・登録型」は、人材紹介会社の登録者の中から企業の条件に合う人を探してくれます。
「サーチ型」
いわゆるヘッドハンティングやスカウトと呼ばれる方法になります。
外国人人材紹介サービスの料金体系
外国人人材紹介サービスでは、外国人を採用したときに、成功報酬として料金を払うことが一般的です。成功報酬の金額は、採用した外国人の初年度の給料（外国人の基本給、残業代、各種手当、賞与の合計額）の35％が相場です。
外国人人材紹介会社を利用するメリット
良いマッチングが行える
細かい条件を設定して、人材紹介会社が応募者を絞り込んでくれるので、採用担当者は、ニーズにマッチした人材だけと面接することができます。
コストカットできる
人材紹介サービスでは採用が決まってから料金を支払いますので、採用に至らなかったら料金はかかりませんし、採用した人材がすぐに辞めてしまった場合も料金の一部が返ってくる規定があります。
仕事量の減少
求人広告の掲載や応募者の対応、面接の調整など、さまざまな採用業務をしてくれるので採用担当者の負担を減らしてくれます。
