外国人留学生アルバイトの実態と、留学生を採用する方法を徹底解説

外国人留学生アルバイトの実態と、留学生を採用する方法を徹底解説

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近年留学生のアルバイトが増えています。
この記事では留学生アルバイトの採用方法や、留学生を社員として採用する方法を解説します。

留学生のアルバイト

留学生の数・出身地域

まず日本に、留学生がどのくらいいるかを見てみましょう。
独立行政法人日本学生支援機構によると、2022(令和4)年度 5月1日時点の外国人留学生は、231,146人です。
コロナの影響で一時落ち込みましたが、今後、増加していくと予想されています。

続いて、外国人留学生の出身地域について見ていきます。
中国からの留学生が12万人と最も多く、続いて半減して6万人のベトナム、ネパールと続き、おおよそ以下の人数となっています。

中国:12万人
ベトナム:6万人
ネパール:2万5千人
韓国:1万6千人
インドネシア:6千人


中国とベトナムが1位2位を占めていますが、中国が全体の約50%で、ベトナムが20%ほど、この2か国で全体の7割を占めています。

実際に日本企業に就職する留学生は、令和元年の時点で、約3万人ほどで、内訳は中国の留学生が1万人ほどでベトナムが約6千5百人、ネパールが3千5百人程度となっています。

留学生アルバイトの基本情報

留学生の何割がアルバイトしている?

立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査によれば、令和4年1月時点で、67%の留学生が、アルバイトをしていることがわかっています。
アンケートからは、ほか、留学後の日本への印象を良かったとしながらも、74.3%が物価の高さに苦労していることもわかっています。
仕送りだけでは足りず、生活のためにアルバイトしている留学生の姿がうかがえます。

アルバイトの平均収入は、関東地方が 172,000 円と全国で最も高額でした。ちなみに東京のみを対象とすると、179,000円とダントツです。
一方で、四国地方は118,000 円と最も金額が少なかったです。

人気のアルバイト先は?

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)の調査によれば、人気のアルバイト先は、軽労働の「飲食業」で全体の35.0%を占めていました。
厨房での料理の下処理や、後片付けなどは、日本語があまりできずとも従事できるため、留学生に人気のアルバイトとなっているためです。

またアルバイトへの従事時間は、週平均「20 時間以上 25 時間未満」が 最も多く、全体の37%を占めていました。続いて、「15 時間以上 20 時間未満」が 19.7%でした。
物価の高い日本で安定的に生活するために、可能な限りアルバイトをしている留学生が多いという状況がうかがえます。

留学生を採用するメリット

メリット

留学生側は、日本で可能な限りアルバイトをしたいと思っているようですが、企業側には留学生を積極的に採用するメリットはあるのか見ていきます。

人手不足解消

留学生は増加傾向にありますが、日本は少子高齢化でアルバイトの主な担い手だった大学生や高校生の数は年々減少しています。
そのため留学生アルバイトは、深刻な日本の人手不足解消になっています。
日本人のみに募集をかけて来なくても、留学生も対象にすると募集が来るというケースも珍しくありません。

多言語対応

人手不足解消だけでなく、多言語対応にも期待できます。
コロナ禍で激減してしまいましたが、2018年2019年と、訪日外国人は3000万人を超えていました。
そのため中国語や英語など、日本語以外で接客できるスタッフの需要が急増しています。
訪日外国人への適切な対応・販売という面で見ても、留学生の採用は、企業側にとってメリットとなるでしょう。

海外進出

海外進出を考えている場合には、留学生を社員として採用するのであれば将来の重要な戦力となるでしょう。
海外に進出する際には、その国の言葉を母国語にする留学生は、間違いなく戦力になります。また言葉だけではなく、その国の文化やビジネスにも精通していると、海外展開がよりスムーズにいくかもしれません。

留学→就労ビザ変更手続き

留学生を社員として雇用したいという企業が増えています。
そのように留学生を新卒採用する場合、在留資格の変更をしなければなりません。
留学生は「留学」という在留資格で日本で生活しています。
ですが企業で働く場合には「留学」のビザから、労働を目的にしたビザに切り替える必要があり、代表的な就労ビザは「特定技能」と「技人国」ビザです。

留学→特定技能ビザ変更手続き

外国人が就労するビザの1つ目は、特定技能です。
2019年に新設された人手不足解消のための制度です。
人手不足が主に深刻な以下の12分野で、就労することが認められています。

  1. 介護
  2. ビルクリーニング
  3. 素形材・産業機械製造・電気・電子情報関連産業
  4. 建設
  5. 造船・舶用工業
  6. 自動車整備
  7. 航空
  8. 宿泊
  9. 農業
  10. 漁業
  11. 飲食料品製造業
  12. 外食業

取得するためには特別な学歴などが必要ないため、比較的取得が簡単です。
ただ特定技能評価試験と、日本語試験に合格して、その分野における一定の知識と技術、そして最低限のコミュニケーションが可能な日本語レベルが必要です。

注意点として、留学から特定技能にビザを変更する場合、数か月日数がかかります。
ですので外国人本人が、地方入国管理局で卒業する3か月以上前には、手続きを始める必要があります。

留学→技人国ビザ変更手続き

就労ビザには「技術・人文知識・国際業務」ビザもあります。
名称が長いので、一般的には「技人国(ぎじんこく)」と略されます。
特定技能と違い、技人国ビザでは技術者やオフィスワーカーとして働くことができます。
具体的にはシステムエンジニアや通訳、また営業職や経理、事務職として働くこともできます。デザイナーや語学教師として働くこともできます。
ですが特定技能の場合と違い、主な業務として単純労働に従事することはできません。
そして取得条件として、留学して学んだ知識・経験が活かせるかどうかが重要視されます。

日本の大学を卒業見込みの場合には、この技人国ビザを目指す方がほとんどですが、取得には大卒程度が必要なので取得難易度は特定技能に比べて高いです。
技人国ビザに変更する場合にも、数か月日数がかかります。
4月に働き始める場合には卒業前の1月には卒業見込証明書をもらい、入国管理局の審査を受けないと間に合いません。

留学生アルバイトの採用方法

アルバイトの採用方法

外国人留学生をアルバイトとして採用する場合について、説明します。
その場合には、在留資格の確認や、資格外活動許可を申請するなど、日本人とは異なるフローが求められます。
以下で留学生を採用する場合、必須のフローを解説していきます。

在留資格の確認

まず在留資格の確認が必須です。
残念ながら不法滞在者がいたり、短期滞在で働くことができないのに稼ごうとしたりというケースがあります。必ず確認をしましょう。
在留資格は在留カードで確認ができます。
①在留カードが偽造ではないか、②在留資格が「留学」であるか、③資格外活動許可を受けているか、以上3点は必ず確認しましょう。

資格外活動許可の申請

資格外活動許可を受けていなければ、これを申請する必要があります。
なぜ必要かといえば、「留学」ビザの目的は学業だからです。
学業以外の活動、つまりアルバイトに取り組む場合には「学業以外の活動に取り組みます」という申請を出さなければなりません。
これが「資格外活動」です。
この「資格外活動」を申請して許可されると、在留資格の裏面に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載がされます。

この「資格外活動許可」は、留学生自身が、地方出入国在留管理官署に申請書と必要書類をそろえて申請します。初めから申請済みであれば問題ありませんが、もし申請がされていないようであれば申請を依頼する必要があります。
申請せず雇用すると、罪に問われますので注意しましょう。

アルバイトできる時間には上限あり

アルバイトできる時間には週28時間と上限があります。
なぜなら「留学」ビザの目的は、あくまで学業だからです。
アルバイトがメインであるかのような長時間の労働は禁止されています。
ただ例外として、長期休暇中などは上限が少し伸びます。
具体的には、夏休みや冬休みの長期休暇中に限って1日8時間、週40時間までアルバイトすることができます。

またアルバイトの掛け持ちをしている場合には、そのバイトの合算時間が週28時間となっています。留学生をアルバイトとして採用する場合には、この上限時間に気を使いましょう。

もし上限を超えてアルバイトをした場合、留学→技人国ビザへの変更ができなくなったり、オーバーワークのため帰国となったりと、重いペナルティを受けてしまいます。

雇用の注意点

受け入れ準備は万全に

外国人留学生の中には、日本語をある程度話すことができ、日本の文化をよく理解している方もいらっしゃいます。ですが別の文化圏で育っているので、同僚の日本人と問題なく仕事ができるように配慮をする必要があります。

また日本人を採用する場合と、留学生を採用する場合にはフローが大きく異なります。
例えば在留カードの確認などのほかにも必要なフローがあります。ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」の提出です。ハローワークに直接提出することも、オンラインで提出することもできます。この届出は、正社員の場合でも、アルバイトの場合でも、外国人を採用するときには必要になります。
離職時にも、ハローワークにこの「外国人雇用状況の届出」の提出は必要になりますので、受け入れの際のサポートや、手続きには漏れがないようにしましょう。

同一労働同一賃金

日本人と同じ労働をするのであれば、同じ賃金を支払わなければなりません。
外国人留学生のみ、同じ仕事にもかかわらず給料を低く設定することは、外国人差別になります。
不当な賃金差が生まれないように配慮が必要です。

まとめ

最後に記事の内容をまとめます。

留学生の数・出身地域

中国からの留学生が12万人と最も多く、続いて半減して6万人のベトナム、ネパールと続き、おおよそ以下の人数となっています。

  1. 中国 :12万人
  2. ベトナム :6万人
  3. ネパール :2万5千人
  4. 韓国 :1万6千人
  5. インドネシア :6千人

留学生アルバイトの基本情報

留学生の何割がアルバイトしている?

令和4年1月時点で、67%の留学生が、アルバイトをしていることがわかっています。
アルバイトの平均収入は、関東地方が 172,000 円と全国で最も高額でした。ちなみに東京のみを対象とすると、179,000円とダントツです。

人気のアルバイト先は?

軽労働の「飲食業」で全体の35.0%を占めていました。
厨房での料理の下処理や、後片付けなどは、日本語があまりできずとも従事できるため、留学生に人気のアルバイトとなっているためです。

留学生を採用するメリット

人手不足解消

留学生は増加傾向にありますが、日本は少子高齢化で、アルバイトの主な担い手だった大学生や高校生の数は年々減少しています。
そのため留学生アルバイトは、深刻な日本の人手不足解消になっています。

多言語対応

中国語や英語など、日本語以外で接客できるスタッフの需要が急増しています。
訪日外国人への適切な対応・販売という面で見ると、留学生の採用は、企業側にとってメリットとなるでしょう。

海外進出

また、海外進出を考えている場合には、留学生は将来の重要な戦力となるでしょう。

留学→就労ビザ変更手続き

留学→特定技能ビザ変更手続き

取得するために、特別な学歴などが必要ないため、比較的取得が簡単です。
ただ特定技能評価試験と、日本語試験に合格して、その分野における一定の知識と技術、そして最低限のコミュニケーションが可能な日本語レベルが必要です。

留学→技人国ビザ変更手続き

特定技能と違い、技人国ビザでは技術者やオフィスワーカーとして働くことができます。
具体的にはシステムエンジニアや通訳、また営業職や経理、事務職として働くこともできます。またデザイナーや語学教師として働くこともできます。
ですが特定技能の場合と違い、主な業務として単純労働に従事することはできません。
そして取得条件として、留学して学んだ知識・経験が活かせるかどうかが重要視されます。

留学生アルバイトの採用方法

在留資格の確認

まず在留資格の確認が必須です。
残念ながら不法滞在者がいたり、短期滞在で働くことができないのに稼ごうとしたりというケースがあります。必ず確認をしましょう。

資格外活動許可の申請

資格外活動許可を、申請する必要があります。
なぜ、これが必要かといえば、「留学」ビザの目的は学業だからです。
学業以外の活動、つまりアルバイトに取り組む場合には、学業以外の活動に取り組みますという申請を出さなければなりません。

アルバイトできる時間には上限あり

アルバイトできる時間には、週28時間と上限があります。
なぜなら「留学」ビザの目的は、あくまで学業だからです。
アルバイトがメインであるかのような、長時間の労働は禁止されています。

雇用の注意点

受け入れ準備は万全に

ハローワークへ「外国人雇用状況の届出」の提出です。ハローワークに直接提出することも、オンラインで提出することもできます。
この届出は、正社員の場合でも、アルバイトの場合でも、外国人を採用するときには必ず必要になります。
離職時にも、ハローワークにこの「外国人雇用状況の届出」の提出は必要になりますので、受け入れの際のサポートや、手続きに漏れがないようにしましょう。

同一労働同一賃金

日本人と同じ労働をするのであれば、同じ賃金を支払わなければなりません。
外国人留学生のみ、同じ仕事にもかかわらず給料を低く設定することは、外国人差別になります。

この記事を書いたライター
カナエル運営事務局

カナエル運営事務局

外国人材に関わる方向けに情報を発信する総合メディア「カナエル」の中の人です。 外国人採用をはじめ、特定技能・技能実習に関する有益な情報を発信します。