技能実習生をリスクから守る「外国人技能実習生総合保険」とは?

技能実習生をリスクから守る「外国人技能実習生総合保険」とは?

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外国人技能実習生総合保険は、日本で暮らす外国人技能実習生の病気や怪我、個人賠償責任に対する補償が受けられる保険です。
慣れない土地で生活する外国人技能実習生と受入れ企業双方の不安を解消するために外国人技能実習生総合保険は存在し、互いの不安要素を取り除き強い信頼関係を築くためにも、受入れ企業には外国人技能実習生総合保険への加入をおすすめします。

この記事では外国人技能実習生総合保険の概要と目的、加入に際しての注意点などを解説します。

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「外国人技能実習生総合保険」とは

まずは外国人技能実習生総合保険の概要について解説していきます。

技能実習生・受け入れ企業共に安心するための保険

慣れない風習や生活習慣の中で新しく生活を始めようとすると、思わぬ事故や怪我に見舞われるリスクが通常よりも高くなります。また、トラブルに見舞われた場合生活習慣の違いのために適切な対処ができない可能性もあります。

外国人技能実習生総合保険は、慣れない風習や生活習慣の中で暮らす外国人にまつわるさまざまなトラブルに対処するための保険です。受け入れ企業が加入することで、実習生本人だけでなく受入れ企業側も万が一の事態に備えることが可能になります。

保険加入者・被保険者

外国人技能実習生総合保険の保険加入者は“実習生受入れ企業や監理団体”で、被保険者は“技能実習生本人”です。
実習生受入れ企業が加入することで、被保険者である外国人技能実習生本人に病気や怪我といったことがあった場合に治療費などに対して補償が受けられます。また、日常生活の中での損害賠償責任に対しても補償が受けられます。

万が一の事態に備えて、受入れ企業は外国人技能実習生総合保険に加入することをおすすめします。

加入は必須?加入することの重要性

次に、外国人技能実習生総合保険の加入義務の有無についてご説明します。

保険への加入は任意

外国人技能実習生総合保険への加入は任意です。社会保険や雇用保険などは日本人・外国人関係なく雇用する際には加入しなければなりませんが、外国人技能実習生総合保険には加入義務はありません。
そのため怪我や病気など万が一のことがあっても、健康保険などでまかなえるケースもあります。

しかし企業側に加入義務のある保険だけでは外国人が日本で生活することそのものに対しては十分な補償が受けられない場合もあります。だからといってあらゆる事態を想定し、他の保険商品と組み合わせるとコストが高くなってしまう恐れもあります。

外国人技能実習生総合保険は、外国人が日本で暮らすことそのものに対する保険です。慣れない土地で生活することそのものに対する補償が受けられるため、受入れ企業・実習生双方の不安を解消します。

加入しなかった場合に想定されるトラブル

例えば以下のケースに対しては外国人技能実習生総合保険に加入することでリスクを回避できる可能性があります。

自転車での事故

技能実習生の中には、自転車を主な交通手段として使う人も多いです。日本の交通ルールをよく理解できないまま自転車を運転し、事故に巻き込まれてしまうケースが多発していますが、交通ルールを知らないことだけが事故の原因ではありません。道路の舗装状況が母国とは異なるため、気がつかないうちにスピードを出しすぎてしまう実習生も多いです。

通勤途中だけでなく、近くのスーパーへの買い物、休日にサイクリングを楽しんでいる時などに思わぬ事故を起こしてしまう可能性もありますので、こうした自転車による事故に対する補償も、外国人技能実習生総合保険に加入していれば受けられます。

雇用契約期間外の事故

原則として技能実習生は日本に入国してから2ヵ月間は座学で講習を受けなければなりません。この期間は受入れ企業との間に雇用契約関係がないため、雇用されることによって加入できる雇用保険などの補償は受けられません。
もしこの期間中に実習生が病気や怪我をした場合、治療費などを受入れ企業が負担しなければならなくなるケースもあります。

外国人技能実習生総合保険は入国から出国までの全期間を補償するものです。加入することで雇用契約関係にない期間も補償が受けられるので、受入れ企業は突発的な出費のリスクをおさえることができます。

外国人技能実習生総合保険加入に際しての注意点

外国人技能実習生総合保険は、外国人が日本で暮らすことそのものにかける保険であるため加入に際して注意しなければならないポイントがいくつかあります。

補償対象期間や補償範囲は必ずチェック

全ての保険商品に言えることですが、補償対象期間や補償範囲は加入する前に必ずチェックしましょう。実際の業務にあっているかどうかも確認しなければならないポイントです。

先述した通り、外国人技能実習生総合保険は雇用関係にない入国から出国までの期間も補償範囲になっているかどうかが重要になってきます。また、日常生活の中での自転車での事故、治療費用の3割負担分に対する補償の有無、万が一のことがあった際の母国からの親族の呼び出し(救援者費用等)に対する補償についても重要です。

社会保険・雇用保険等とは別物

実習生受入れ企業側に加入義務のない保険であるため、社会保険や雇用保険といった加入義務のある保険とは別物であることを理解しなければなりません。

勤務時間中の怪我やちょっとした病気や怪我などであれば企業として加入義務のある保険でもカバーできることもありますが、外国人が生活する上での事故などには補償が十分ではない可能性もあります。

給料から控除する場合は労使協定を締結

任意加入の保険料等を従業員の給料から控除する場合は労使協定を締結しなければなりません。外国人技能実習生総合保険も同様で、保険料を控除する場合は労働者との間に労使協定を締結しましょう。

労使協定は従業員の過半数が組織する労働組合がある場合は会社と労働組合が、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者を選んだ上でその者と会社が締結します。

さらに締結した内容は掲示や書面の交付などにより労働者に周知しなければなりません。

対象実習生に対する説明の徹底

被保険者である実習生に対し、保険についての説明をしっかりとおこなうようにしましょう。

慣れない土地で暮らす外国人は非常に強い不安を抱えているものです。どのような補償が受けられるのかや、保険料の扱いなどが分からないままでは安心して働くことができません。

受入れ企業側が保険に加入していることや補償期間・範囲、給料から保険料を控除する場合はその旨をきちんと説明することで、お互いに安心できます。

外国人技能実習生総合保険の補償期間や保険料の目安

補償対象期間

実習生が母国を出発してから帰国するまでが主な外国人技能実習生総合保険の補償対象期間です。
日本に入国してからの座学期間などに起こった、社会保険等ではカバーできないトラブルにも補償を受けることができます。

保険料の目安

補償内容や保険商品にもよりますが、1〜3万円ほどが目安となります。

補償範囲の具体例

以下では外国人技能実習生総合保険の補償範囲の具体例をご紹介します。

傷害や疾病の治療費

外国人技能実習生総合保険は業務にあたっている就業時間だけでなく、日常の中での突発的な事故による怪我や病気の治療費を補償します。さらにそうした怪我・病気によって死亡した場合や後遺症が生じた場合にも、保険に加入していれば補償が受けられます。

また、外国人技能実習生総合保険に加入していると、健康保険だけではカバーされない治療費の3割負担部分にも補償が受けられます。

個人賠償責任

例えば自転車に乗っている時に人とぶつかって怪我をさせてしまった場合や物を壊してしまった場合などに発生した損害賠償金や訴訟費用などに対する補償も、外国人技能実習生総合保険に加入していると受けられます。

法律や規則だけでなく、その土地の風習や生活習慣に慣れていない外国人は偶発的な事故を起こしてしまうリスクがその土地に慣れている人よりもどうしても高くなってしまいます。そのため異国の地で暮らしている人はこちらが気づかないような強い不安を抱えているものです。

受入れ企業がこうしたトラブルにも補償が受けられる外国人技能実習生総合保険に加入することで、実習生が抱える不安を和らげ、業務に集中できる環境を作ることができます。

救援者費用

責任期間中に被保険者である実習生が死亡または危篤になった場合、母国にいる家族や親族等の現地までの旅費交通費も補償します。さらに遺体搬送費用や母国との連絡のための交通通信費等も補償範囲に含まれています。

外国人技能実習生総合保険の加入までの流れ

以下では外国人技能実習生総合保険の加入までのおおまかな流れを紹介します。

多くの場合は団体加入

外国人技能実習生総合保険は多くの場合団体加入となります。受入れ企業や技能実習生の所属機関、監理団体等が加入することで、被保険者である実習生に対する補償が受けられるようになります。
そのため受入れ企業や監理団体などが申し込むことで加入手続きを始めることができます。

労使協定の締結と内容の周知

先述した通り、外国人技能実習生総合保険は任意保険であるため、給料から保険料を控除する場合は労使協定を締結した上で周知しなければなりません。

従業員の過半数以上で組織された労働組合があればその労働組合と、労働組合がない場合は過半数を代表する者を選任した上でその者と労使協定を締結し、内容の周知を徹底しましょう。

おすすめの保険商品3つ

外国人技能実習生向けの保険商品にはさまざまなものがあります。以下ではその中でも特におすすめのものを3つ紹介します。

ART共済協同組合「外国人の在留生活共済」

ART(エー・アール・ティー)共済協同組合の「外国人の在留生活共済」では、傷害・疾病等の治療や個人賠償責任などに対する補償だけでなく、実習生が生活する不動産物件に対する保険プランもあるのが特徴です。
この「リビングアシスト総合保険」に加入することで、実習生が生活する不動産物件での損害に対する補償も受けられるようになります。

さらに「外国人の在留生活共済」はペーパーレス・ハンコレスで手続きができるため、実習生の入国から出国までの手続きがスムーズに行えます。煩雑な事務作業にかかるコストを削減したい団体等におすすめの保険商品です。

JITCO保険 外国人技能実習生総合保険

公益社団法人国際人材協力機構JITCO(ジツコ)は外国人技能実習生に対する保険商品の提供だけでなく、受入れ・手続きについての支援や制度についての講演会・セミナーに対する講師派遣なども行っている団体です。

そのためJITCOが窓口となって提供する外国人技能実習生総合保険も、多くの受入れ団体から人気を集めています。補償期間・補償内容が充実しているだけでなく、一般の保険料よりも比較的保険料が安いという点で高く評価されています。

ジェイアイ損害保険 外国人技能実習生総合保険

ジェイアイ傷害火災保険株式会社は、日本国内で最大手の旅行会社JTBグループと損害保険事業として世界的にも有名なAIGグループとの合弁会社です。外国人技能実習生向けの総合保険も提供しています。

雇用契約期間外も含めた、実習生の母国からの出国から帰国までの期間をカバーしてもらえるだけでなく、日常生活での傷害・疾病・個人賠償責任等も補償が受けられます。

まとめ

慣れない土地で生活することには受け入れられる側・受け入れる側両方が不安を覚えるものです。こうした不安を解消するために外国人技能実習生総合保険は存在します。

加入はあくまでも任意ですが、技能実習生に関する事故などで受入れ企業側が突発的な出費に見舞われることになったケースも存在します。

ペーパーレスで手続きを完了できる保険商品も存在するため、受入れ機関は補償期間や補償内容等を確認した上で活用していきましょう。

この記事を書いたライター
カナエル運営事務局

カナエル運営事務局

外国人材に関わる方向けに情報を発信する総合メディア「カナエル」の中の人です。 外国人採用をはじめ、特定技能・技能実習に関する有益な情報を発信します。