台湾からの訪日客は500万人近く、中国と韓国に次いで第3位です。
日本文化に非常に関心を持ってくれている隣国であるため、働きにくる台湾人は年々増えています。
この記事では、台湾人の国民性や、台湾人が日本で就労する際のビザについて解説します。
目次
台湾の基本情報
台湾は、九州よりやや小さいくらいの面積で、3万6千平方キロメートルです。
そこに約2,326万人が暮らしており、主要都市は台北、台中、高雄です。
時差は1時間だけあり、台湾のほうが日本より1時間遅いです。
また日本と同じように四季がありますが、地域によって、気候はだいぶ異なります。
例えば台北であれば、1月から3月までは肌寒く、4月から9月までが春です。10月から11月が日本の夏から秋の気候となり、12月にいわゆる初冬の訪れとなります。
日本ではほとんど日本語のみですが、台湾では中国語、台湾語、客家語などが使われていて、仏教のほか、道教、キリスト教を信仰しているひとたちが生活しています。
生活についても簡単に取り上げます。
台湾では水道水は飲むことができません。
基本的には沸騰してから使い、飲み水としてミネラルウォーターを購入する方がほとんどです。
また飲食店に入った場合には、日本のように水は出てきません。ミネラルウォーターを購入して、自身での持ち込みとなります。
また日本と同じで、チップなどは不要の文化です。
台湾人の国民性について解説
台湾では2千3百万人もの人々が暮らしています。
そのため様々なパーソナリティの方がいらっしゃいますが、多くの台湾人に共通するいいところを紹介します。
仕事が迅速!
台湾人は、決断に時間をかけないと言われています。
もちろん様々な方がいますが、その傾向は仕事にも生かされており、業務での決断もスピーディーにこなすことが多いです。
台湾の社会では、仕事で重視されることはとにかく成果です。効率よく、スピーディーにこなすことが美徳という風潮があります。
一方で、細かいところがおろそかなことがあるという指摘があります。
ですので細部をしっかり気にかけることができるスタッフと組ませると、素晴らしい戦力として活躍が期待できそうです。
南国気質でフレンドリー
台湾は、沖縄と同じ亜熱帯気候です。
南国特有のフレンドリーな人たちが多いとされています。
また家族を大切にする国民性です。
仕事より、授業参観などの子供の行事や家族とのイベントを、優先する方が多いです。
とても柔軟性がある
日本は「人の目を気にする文化」であると言われることがあります。
理由として、稲作の国であるからではないかと分析されています。
稲作は1人ではできないため、協調性を重視して、人の輪を乱すことをよく思わないという文化が根付いたというわけです。
そのために敬語や礼儀作法なども、他国に比べて厳しくなっています。
ですが台湾の方は、もちろん礼儀作法は大切にしてはいますが、必要以上に人の目を気にしません。
また学習意欲が高くて勤勉なため、進んでその文化のいいところを取り入れようとする積極性も持っています。
その積極性と柔軟性を、長年ビジネスにも生かしている国民です。
台湾人の仕事観
台湾には親日家が多く、あえて「日本で働きたい!」という方のほとんどは、日本文化をある程度理解しています。ですが日本人側が台湾人の仕事観や文化などを理解しておくほうが、トラブルなく労働に取り組むことができるでしょう。
ここでは台湾人の仕事観について説明します。
プライベートの時間をとても大切にする
日本でも近年は、いわゆる「仕事人間」を敬遠する風潮は強いです。
台湾では、よりその風潮が強い印象があります。
台湾人は、家族や仲の良い友達と過ごす時間、趣味のための時間を人生の中でとても大切にしています。
それらの時間を失いたくないという思いが大変強いです。
ですが残業を一切したくないという方ばかりではありません。
残業代がきちんと払われることや、繁忙期には残業があるがそれ以外では発生しないことなどを、しっかり説明すれば理解を示してくれる方が多いです。
上下関係が厳しくない
台湾でも、そして中国でも同じですが、職場での上下関係は日本のようにしっかりしていません。また実は中国語には尊敬語や謙譲語が存在していません。
ですので先輩や上司と、友達のように接する方がほとんどです。
日本のように「上司が部下におごる」ということが当たり前ではなく、逆に部下が上司におごるというようなことも珍しくないです。
特に日本人からすると意外に思われることとして、上司・部下という考え方は当然ありますが、職場における先輩・後輩という考え方は基本的にはしないです。
柔軟性があるため、上下関係が厳しい職場でもうまく対応する方は多いです。
しかしそれが台湾人によっては、大きな負担となるケースもありますので、注意が必要です。
権利をしっかり主張する
台湾では、権利をしっかり主張することは当たり前のこととしてとらえられています。
日本人のように、輪を乱さないために遠慮をすることは、決して美徳ではありません。
例えば台湾では、労働基準法に違反していると思ったら、全く遠慮せずにその旨を会社に伝えます。台湾ではそれは当たり前のことで、会社に伝えて改善されない場合には労働争議を起こします。
「輪を乱さない」ことよりも、「自分の権利を守ること」を重要だと考えています。
このような部分を見て、日本人は「すごくはっきり言う!」と感じるかもしれません。
ですが会社の良くない点をしっかり主張することは、会社にとっては良いことではあるので、仮に権利の主張があった場合には尊重して会社側が改善点を見出すほうがよいでしょう。
台湾人が日本で働くための在留資格
台湾人が日本で働くためには在留資格が必要です。
なかでも代表的な在留資格は「技人国」「特定技能」「留学」「特定活動」の4つです。
それぞれ取得条件を含めて特徴がありますので、順番に説明していきます。
技術・人文知識・国際業務
「技人国」と略される在留資格「技術・人文知識・国際業務」は特に人気の在留資格です。なぜなら今回紹介する在留資格の中では最も高給を期待できるためです。
ですが取得は簡単ではありません。
「技人国」を申請するための条件として、大学卒業程度の学歴が必要になります。
つまり例外はありますが、日本や台湾で大学を卒業していないと、申請することもできません。
大卒程度必要で、高給も期待できるため、日本の大学に留学している場合には、この技人国を申請する方がほとんどです。
仕事内容としては、システムエンジニアやデザイナー、また通訳などを行うことができます。これから紹介する特定技能などと違い、単純労働を行うことはできません。
特定技能
特定技能は前述の技人国とは違い、取得は簡単ですが収入は落ちます。
この特定技能は、2019年4月に新設されました。
介護やビルクリーニング、建設、農業や漁業など、人手不足が特に深刻な12分野で、即戦力となる外国人を採用するための制度です。
特定技能は技人国に比べて、取得するための条件は厳しくはありません。
一定レベルの日本語能力があることを示すため日本語試験にパスすること、そして特定技能評価試験に合格することが条件です。
ですが特定技能のための試験を台湾では受験することができないため、台湾人で取得する方は現状はほとんどいません。特定技能はベトナムや中国、インドネシアなど、発展途上国の方の取得がだいたいをしめています。
ただ取得するための条件が厳しくはないため、「日本のホテルやレストランなどで働いてみたい」などの要望がある場合には、有望な選択肢となります。
留学
在留資格が留学の場合でも、アルバイトという形態であれば労働ができます。
ですがそもそも「留学」という在留資格は、日本の4年生大学や短期大学、また専門学校や日本語学校に通う学生のためのものです。
つまりあくまで本業は「学業」です。
ですので本来、在留資格「留学」ではアルバイトをすることはできません。
しかし資格外活動の許可が下りれば、28時間以内であればアルバイトなどをすることができます。また夏休みや冬休みのような長期休暇の場合には28時間を超えて労働できます。
特定活動
在留資格「特定活動」でも労働することができます。
ただこの「特定活動」は現在40種類以上あり、すべての「特定活動」で労働ができるわけではありません。
特定活動で労働ができるか確認する場合には、在留カード裏面の資格外活動許可欄を確認します。ここで「許可」の文字があれば問題ありません。
もし「指定書により指定された就労活動のみ」とあった場合には、パスポートに挟まれている指定書を見て確認することが必要になります。
特定活動で代表的なものは「ワーキングホリデー」です。
ワーキングホリデーでは、18歳以上30歳以下が取得可能で、最大1年間日本で滞在することができ、年間1万人が対象です。
まとめ
最後に、台湾人の国民性や就労する際のビザについてまとめます。
台湾の基本情報
台湾は、九州よりやや小さいくらいの面積で3万6千平方キロメートルです。
約2,326万人が暮らしており主要都市は台北、台中、高雄です。
台湾人の国民性について解説
仕事が迅速!
台湾人は、決断に時間をかけないと言われています。
もちろん様々な方がいますが、その傾向は仕事にも生かされており、業務における決断もスピーディーにこなすことが多いです。
南国気質でフレンドリー
南国特有のフレンドリーな人たちが多いとされています。
また家族を大切にする国民性で、仕事より、授業参観などの子供の行事や家族とのイベントを優先する方が多いです。
とても柔軟性がある
台湾の方は、必要以上に人の目を気にしない国民です。
また日本の隣国なため、日本企業との交流が非常に盛んで、日本の文化にも長年触れていますので、日本で働く場合には文化的な違いを考慮して柔軟に空気に溶け込んでいくことが多いです。
台湾人の仕事観
プライベートの時間をとても大切にする
台湾人は、家族や仲の良い友達と過ごす時間や、趣味のための時間を人生の中でとても大切にしています。
ですが残業を一切したくないという方ばかりではありません。
残業代がきちんと払われること、残業は繁忙期にはあるがそれ以外では発生しないことなどを、しっかり説明すれば理解を示してくれる方が多いです。
上下関係が厳しくない
台湾でも、そして中国でも同じですが、職場での上下関係は日本のようにしっかりしていません。特に日本人からすると意外に思われることとして、上司・部下という考え方は当然ありますが、職場で先輩・後輩という考え方は基本的にはしないです。
柔軟性があるため、上下関係が厳しい職場でもうまく対応する方は多いです。
しかしそれが台湾人によっては、大きな負担となるケースもありますので、注意が必要です。
権利をしっかり主張する
台湾では、権利をしっかり主張することは当たり前のこととしてとらえられています。
日本人のように、輪を乱さないために遠慮をすることが美徳ではありません。
台湾人が日本で働くための在留資格
技術・人文知識・国際業務
「技人国」と略される在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、高給を期待できるため、特に人気の在留資格です。
ですが取得は簡単ではありません。
申請するための条件として、大学卒業程度の学歴が必要になります。
特定技能
特定技能は前述の技人国とは違い、取得は簡単ですが収入は落ちます。
この特定技能は2019年4月に新設されました。
一定レベルの日本語能力があることを示すため日本語試験にパスすること、そして特定技能評価試験に合格することが条件です。
留学
資格外活動の許可が下りれば、28時間以内であれば、アルバイトなどをすることができます。また夏休みや冬休みのような長期休暇の場合には、28時間より多く労働することができます。
特定活動
特定活動で代表的なものは「ワーキングホリデー」です。
18歳以上30歳以下が取得可能で、最大1年間日本で滞在することができます。年間1万人が対象です。