日本の外国人労働者数の推移と今後の見通し

日本の外国人労働者数の推移と今後の見通し

特定技能外国人雇用

外国人労働者はすでにスタンダード

少子高齢化が進み、職業が多様化したため、飲食業界や介護、製造業などの一部の産業では慢性的な人手不足に陥っています。
そのため日本で働く外国人労働者の数は右肩上がりで増加を続けており、令和6年10月末時点で、過去最多の230万人を更新しました。
中でもより専門的な技術を活かして働く「特定技能」で来日する外国人人材が増え、活躍の場をどんどん広げています。

この記事では、そんな日本の産業を支える外国人人材の増加の推移と、今後の見通しについて、この記事では見ていきます。

第1章 拡大する外国人労働者数

200万人を超え、過去最多を更新

日本の外国人労働者数は、加速度的に増加しています。
2023年には200万人を超え、2024年には過去最多の230万人を更新しました。
前年増加率は12.4%となっており前年と同率です。

また外国人人材が増えるにともない、外国人を雇用する事業所数も過去最多を更新しました。2024年時点で外国人を雇用する事業所数は約34万ヶ所にものぼります。
この事業所数は前年増加率で7.3%となっており、積極的に外国人人材を雇用する事業所も増えていることがわかります。
少子高齢化は今後、ますます進むと推測されているため、今後も増加傾向は続くと思われます。

参照元:厚生労働省

国籍別の推移

ベトナムやフィリピンなどのアジア諸国から出稼ぎに来る外国人人材や、自国に有力な産業がないため日本に技術を学びにくる若者が増えています。
国籍別で見ると、ベトナムから来日する外国人人材が最も多くなっています。
2024年のデータでは、ベトナムから来日する外国人人材が約57万人で、全体の約25%を占めています。

次いで隣国の中国、そしてフィリピンと続きます。

参照元: 厚生労働省

在留資格別の推移

外国人人材の就労を可能にしている在留資格別の構成も、近年変化してきています。
厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめによると、「専門的・技術的分野の在留資格」で就労している外国人人材は届出が義務化されて以来、過去最多となりました。
約72万人もおり、前年の約20%の増加となっています。

増加の背景は多々ありますが、技能に習熟した外国人が取得する「特定技能」で就労する外国人人材の増加も一因となっています。

また留学生アルバイトが大半の割合を占める「資格外活動」は約40万人で、約4万5千人(約13%)も増加しました。
一方で「身分に基づく在留資格」で就労する外国人人材は約63万人と数は多いですが、前年から1万3千人ほどの増加、約2%の増加率となっています。

参照元:厚生労働省

第2章 日本の受け入れ体制の変化

在留資格について解説

外国人人材を、コンビニや喫茶店のレジ、飲食店のフロアや工場の製造現場で見かけることは、珍しいことではなくなりました。
今後は配送のドライバーの中に、外国人人材を見かける様になるかもしれません。
このように、外国人人材を普段の生活のなかで見かける様になった理由は、数多くありますが、働くための在留資格が多様化したこともあげられます。

在留資格とはいわゆる日本で外国人が働くための就労ビザです。
在留資格はそれぞれ、外国人が日本で従事できる労働について、その内容・時間・期間などを厳格に定めています。

在留資格にはいわゆる「技・人・国」(ぎじんこく)と略される「技術・人文知識・国際業務」や、永住者、日本人の配偶者などが取得できる「身分に基づく在留資格」などがあります。
「身分に基づく在留資格」のみは、活動制限はほとんどありませんが、基本的には従事できる業務は在留資格によって規制されています。

技能実習制度

日本が外国人人材を受け入れている在留資格の代表格の一つが、技能実習制度です。
日本の技能や、技術を移転する人づくりの制度で1993年に創設されました。

この技能実習制度を利用して現在、日本で労働に従事する外国人人材は約46万人となっています。

技能実習制度が長らく日本の産業を支えてきた一面は確かにあります。
ですが転職の自由がない点や、長期的な労働力としては定着が難しい点など、いくつかの問題も長年指摘されてきました。
そのため今後、新たに育成就労制度にかわる予定です。

今までと同じように日本の産業を支え、より長いスパンで日本の産業を支えるための1つ目のステップとなる予定です。
本人意思での転籍ができる予定になったり、特定技能制度への接続がスムーズになる予定であったりという、いくつかの点で改善されています。

参照:厚生労働省

特定技能制度

特定技能制度は2019年に創設されました。
この特定技能制度の創設により、外国人人材の活躍の場がさらに広がり近年取得が急増しています。
この特定技能制度は基本的には、技能実習よりも日本語力や技能において、より習熟した外国人人材がメインターゲットとなっています。
そのため技能実習よりも取得の要件が難しくなっていますが、即戦力として現場に配属することができます。

この特定技能制度は介護や建設、農業や漁業などの特定分野の人手不足の解消を目的としており、2号に移行すると、期限なく日本での労働に従事できます。
今後の日本の産業を支える核となる在留資格とも言えるでしょう。

どの分野で外国人人材が増えたのか

厚生労働省の「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和6年10月末時点)によれば、製造業の分野で、特に多くの外国人人材が働いています。
製造業だけで約59万人と全体のおよそ26%を占めています。
続いてサービス業(他に分類されないもの)が約35万人で約15%、続いて卸売業・小売業が13%と続きます。サービス業には他に分類されない仕事も含まれるため、分野別では製造業に圧倒的に外国人人材が多いといえるでしょう。

また国土交通省Webサイトによると、自動車運送業分野においても特定技能1号が受入れ可能となるため、自動車運送業など他の分野でも今後増えていき、製造業メインの構成が変化するかもしれません。

第3章 人権問題と課題

技能実習制度の課題

今や外国人人材は、日本の産業を支える上で必要不可欠ということができます。
ですが長らく外国人人材を受け入れてきた技能実習制度は、育成就労制度へと生まれ変わることが予定されています。

技能実習制度には「国際貢献を建前としながらも実際は人材確保の制度となっている」、「転籍の自由がない」など、いくつかの批判がありました。
また技能実習生の失踪などが社会問題となったこともあり、新制度へと移行することが予定されています。

対策

日本の少子高齢化に歯止めがかからない以上、外国人人材に、日本の産業をマンパワーの面から支えてもらうことは不可欠です。
また今後は、日本が外国人人材を選ぶのではなく、国際的な人材獲得競争が激化するため、外国人人材に主体的に日本を選んでもらうことが必須となります。

そのためには過去の過ちを生かし、多岐にわたる対策が求められます。

中でも外国人人材を孤立させないことが重要です。
トラブルが発生した際の窓口はもちろん、多言語対応の相談窓口を一層強化することが重要です。
また監理団体には、外国人人材の人権擁護を最優先とする役割をより徹底させることにより、日本人労働者と外国人人材が同等の立場で働ける公正な環境を、これからも維持することが強く求められています。

第4章 今後の見通しと、新たな制度「育成就労」

育成就労制度とは?

最後に、今後の見通しと育成就労制度について説明します。
現在の技能実習制度が廃止され、新制度・育成就労制度の運用が2027年4月1日より始まることが決定しました。

育成就労制度の最大の目的は、人材の確保だけではなく、確保と育成を両立することにあります。
現在の技能実習制度との違いはいくつかありますが、本人意思による転籍が可能になること、また特定技能制度への接続がスムーズになるため長期間日本社会での労働がしやすくなることなどがあげられます。

なぜ導入をするのか

技能実習制度には構造的な問題もあり、批判が集まっています。
今後、国際的な人材獲得競争は、ますます激化すると考えられており、外国人に主体的に選んでもらうためことも、制度を変更する理由の1つとなっています。
また現在の技能実習制度では、長期的に働きたいという希望を持っている外国人人材が、特定技能に移行できず帰国せざるを得ないというケースも出てきています。
キャリアプランを明確化にして、長期的に働きやすい制度に変更することで、日本社会への定着を狙ってもいます。

まとめ

外国人労働者はすでにスタンダード

外国人労働者は右肩上がりで増加しています。
令和6年10月末時点で、日本の外国人労働者は過去最多の230万人を更新しました。
中でも「特定技能」で来日する外国人人材が増えています。

拡大する外国人労働者数

令和6年には過去最多の230万人を更新し、前年増加率は12.4%で、日本の外国人労働者数は年々増加しており、外国人労働者市場は成長し続けています。

外国人を雇用する事業所数も過去最多を更新し、2024年時点で約34万箇所にものぼります。この事業所数は前年増加率で7.3%です。

国籍別では、ベトナム人が最も多く約57万人で全体の約25%です。
ですが経験豊富なITエンジニアであれば20万円前後の給料がもらえるケースがあったり、急速に経済発展を遂げていたりするため、今後減少する可能性も0ではありません。

また「専門的・技術的分野の在留資格」で就労する外国人人材が急増し、過去最多の約72万人、前年の約20%の増加となりました。
主に留学生アルバイトが取得する「資格外活動」が約40万人で約13%増、「身分に基づく在留資格」で就労する外国人人材は約2%増となりました。

日本の受け入れ体制の変化

技能実習制度を利用して日本で労働に従事する外国人人材は現在約46万人おり、人手不足に苦しむ日本の一部の産業を、マンパワーの面で支えてきました。
ですが構造的な部分からくる問題点などが長年指摘されていたため、新たに育成就労制度にかわる予定です。

また2019年に特定技能制度が創設され、外国人人材の活躍の場がさらに広がりました。
技能実習制度よりも日本語力・技能において、より習熟した外国人人材しか取得できず、取得者は基本的に即戦力となる人材です。

産業分野別では、製造業の分野だけで約60万人、全体のおよそ26%を占めており、続いてサービス業(他に分類されないもの)が約35万人で約15%、続いて卸売業・小売業が13%となっています。

人権問題と課題

技能実習制度について、幾つかの問題点が指摘されています。
また今後は日本が外国人人材を選ぶのではなく、人材獲得競争が激化するため、外国人人材に主体的に選んでもらうための国づくりが必須です。

今後の見通しと、新たな制度「育成就労」

技能実習制度が廃止され、育成就労制度の運用が始まることが予定されています。
転籍がしやすくなったり、特定技能への接続がスムーズになったりします。
外国人に主体的に日本で働くことを選んでもらうため、また長期的に働きやすい制度に変更し、日本社会への長期的な定着も狙いとなっています。

この記事を書いたライター
牧寛也

牧寛也